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【<コラム>経済気象台】 2006年12月12日 朝日新聞 朝刊 無断転載禁止
 
10大腐敗疑惑事件 

 毎年12月9日には、トランスペアレンシー・ジャパンというNGOが「10大腐敗疑惑事件」を公表している。そのホームページによれば、今年の10大ニュースは、

(1)県知事たちの甘い罠(わな)―談合と選挙資金(2)世に裏金の種は尽きまじ(岐阜県と厚労省地方労働局)(3)官製談合で防衛施設庁は解体(4)ライブドアの粉飾決算疑惑(5)村上ファンドのインサイダー取引疑惑(6)自治体の同和利権をめぐる癒着(7)夕張市の巨額の赤字隠し(8)繰り返される差額関税悪用の脱税行為(9)巧妙な手口、汚泥施設の談合(10)大学教授の研究費不正流用疑惑、である。

 「政・官・業」が満遍なく網羅されているのは、嘆かわしい限りである。

 12月9日に発表されるのは、03年の同日に国連腐敗防止条約が調印されたことを記念し、国連が「国際腐敗防止の日」と定めたからだそうである。この条約はすでに30カ国が批准し、05年12月14日に発効した。わが国もこの条約に署名したが、便乗して成立させようとした「共謀罪」がメディアや国民の疑惑を深め、批准は先延ばしされている。

 腐敗関係の条約としては、他にOECD外国公務員贈賄防止条約がある。外国公務員への贈賄行為を犯罪として処罰することを締約国に義務づけるもので、99年2月に発効し、日本も締約国になっている。

 この条約では、「フォローアップ」と呼ばれる履行状況の監視手続きが合意されている。わが国は腐敗対策に不熱心なので、05年にOECDより「フェーズ2」審査という追試を受けたが、更なる指摘を受け、落第している。

 ここには、「共謀罪」導入に役立ちそうなら積極的に利用するが、腐敗のトライアングルの利権を失うような国際条約は徹底的に先送りしようとする体質がある。そのような国をいかにして美しくしようというのであろうか?(六菖)

 

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最終更新日 : 2006/12/09