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【<コラム>経済気象台】 (朝日新聞 2003年6月25日
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トランスペアレンシー
トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)という世界的な反腐敗NGOがある。各国の腐敗度を格付けする汚職・腐敗度指数(CPI)を毎年公表している。汚職・腐敗は歴史的な由来を持つ社会・経済システムから生じるので、個々の腐敗を告発するような対決的手法ではなく、利害関係者とともに腐敗をなくす方法を考えようという穏健的なアプローチをとっている。
ほとんどの先進国を含め世界の100カ国以上に支部を有するにもかかわらず、わが国にはまだない。わが国がクリーンなはずはないから、やはり市民社会が未成熟で、NGOやNPOへの理解が不足している上に、腐敗への感度が鈍いのだろう。
どの国でも腐敗・汚職は政・官・業にまたがる。発展途上国ではとりわけ多国籍企業との癒着が著しい。このため、TIは贈賄指数(BPI)という格付けも毎年公表、先進国の贈賄度を評価している。昨年、ムネオ騒動の際に発覚した商社のODA関連汚職で氷山の一角が明らかになったが、一流大企業でも発展途上国とのビジネスには賄賂(わいろ)もいとわない。
わが国では、政・官・業が一体となって戦後の急成長を成就し、「鉄のトライアングル」と称されてきたが、これは同時に「腐敗のトライアングル」でもある。国が成長期にあり、インフレが続くときには多少の腐敗は経済が吸収する。経済が衰退を始めると、腐敗が国家の衰亡を加速させる。とりわけわが国では、肥大化した「腐敗のトライアングル」が亡国に導きかねない。
いずれの腐敗も許されざるものであるが、企業の腐敗は早晩破綻(はたん)という形で決着がつき、政治家の腐敗は口利き料に過ぎない。だが、官僚の腐敗は、透明性、説明責任、誠実、公平、民主主義という近代国家に不可欠の理念から逸脱し、組織を自己増殖させるので、国家にとって死に至る病となる。(六菖)
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