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-汚職・腐敗は、勇気ある内部告発者とジャーナリストによってその隠れ家から追い出されつつある-

-世界汚職・腐敗報告書2003年版-

世界汚職・腐敗報告書2003年版は、「情報公開」に特に注目し
エンロン社のスキャンダルを受け企業統治(Corporate Governance)改革についても報告

2003年1月に発行されたGlobal Corruption Report 2003 (2003年版世界腐敗報告書)は、腐敗との闘いにおける情報アクセスの要求の高まりに焦点を当てています。市民社会や公共・民間セクターやメディアが腐敗と闘う(あるいは腐敗を隠す)ためにどのように情報を使い、コントロールしているのか詳しく述べています。

目次:

  • 情報アクセスについての専門家報告書
  • 16地域報告による世界の腐敗状況のアセスメント
  • 各地域展望から各国の腐敗トピックスの検討
  • 最新腐敗関係データと調査
  • 高名な検察官とエバ・ジョリー氏と国連刑事警察機構ロン・ノーブル氏の寄稿

 巻頭言:トランスペアレンシー・インターナショナル理事長 ピーター・アイゲン

日本語ハイライトはこちら

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GCR2003-Cover

 


プレスリリース

2003.1.22 London

---「汚職・腐敗はその隠れ家から追い出されつつある。それが、2003年版世界汚職・腐敗報告書(以下“GCR2003”)から伝わってくるメッセージだ。」と、トランスペアレンシー・インターナショナル(Transparency International;TI) のピーター・アイゲン理事長は巻頭で述べている。集中的に汚職・腐敗と戦う国際NGOであるTIにより作成されたこの報告書は、プロファイル・ブックス(Profile Books)により1月23日に出版される。アイゲンは、「情報公開だけでは十分でない。どんなに専門的かつ正確に情報が検討されようとも、報道機関と市民団体の絶え間ない監視と、調査報道を行うジャーナリストと内部告発者の勇気ある行動がなければ、汚職・腐敗は栄え続けるだろう。」と報告書の中で書いている。

TI社会倫理・誠実性大賞(TI Integrity Award)は、モザンビーク史上例のない金融詐欺事件を取材中の2000年1月に暗殺されたジャーナリスト、故カルロス・アルベルト・カルドーソ(Carlos Alberto Cardoso)氏に授与された。大統領の息子に暗殺を命じられたと証言した暗殺者たちの裁判が2年後の2002年11月になって始まったが、「世紀の裁判」と呼ばれるこの裁判は、賄賂とマネー・ロンダリングの噂が渦巻く中で、検事への殺人脅迫により妨害されている。

2002年の1年間に紛争地域で殺害されたジャーナリストは減少したが、依然として権力者による腐敗・汚職を取材するジャーナリストに対する脅迫は続いている。バングラデシュ、コロンビア、フィリピンとロシアでは、汚職・腐敗に関する記事を書いたジャーナリストが殺害されている。一方で、2002年は『TIME』誌がワールドコムのシンシア・クーパー(Cynthia Cooper)、FBIのコリーン・ロウリー(Coleen Rowley)と、エンロンのシェロン・ワトキンス(Sherron Watkins)をパーソンズ・オブ・ザ・イヤーに選んだことで、内部告発者がようやく広く社会に認知されるようになった。

汚職・腐敗の事例として、GCR2003には、世界16の地域の積極的な改革に結びついた事例と消極的な展開に結びついた事例が掲載されている。世界の汚職・腐敗状況をまとめた年次報告書としては2冊目になるこの報告書は、情報公開に関する一連の記事と、データ・調査の章で構成されているのが特徴だ。また報告書へは、国際警察の事務総長であるロン・ノブル氏と、フランスの石油産業エルフ・アキテーヌ(Elf-Aquitaine)社の汚職・腐敗事件を調査し、判事として勇気ある行動が認めら2001年のTI社会倫理・誠実性大賞を受賞したエヴァ・ジョリー(Eva Joly)女史から特別寄稿をいただいている。

情報公開は汚職・腐敗に対する極めて重要な防御手段である
TIの「革新調査研究センター(TI’s Center for Innovation and Research)」のエクゼクティブディレクターであるジェレミー・ポープ(Jeremy Pope)は、「一般市民が日常生活のあらゆる局面で自らの権利を行使するためには、政府が保有している情報の公開を求める権利が必要である。それなしでは、一般市民は簡単に汚職・腐敗の餌食にされてしまう」とGCR2003の中で書いている。

今まで以上に情報公開を求める圧力は、世界中で見られる現象だ。NGO のアーティクル19(Article19)の法律プログラムの責任者であるトビー・メンデル(Toby Mendel)氏はGCR2003の中で、「憲法の条文が情報公開の権利を保障しているだけでは不十分であり、権利を実効性あるものにするための立法が必要であることは、これまでの経験が証明している。2000年以降、ボスニア・ヘルツェゴビナ、イギリス、キルギスタン、ポーランド、そして南アフリカが情報公開法を制定したように、情報公開法が世界中の国で制定されている。また情報公開法案が、グアテマラ、インド、インドネシア、ナイジェリアで検討中だ。」と書いている。

予算の透明化に対する運動
2002年、ドイツ、レバノン、メキシコ、パナマや他の国々のTI支部は、情報公開を求める運動をおこなった。TIは、「支払い内容公表(Publish What You Pay)」運動に参加し、石油・鉱山業界の会社に対して活動地域の政府に支払う税と採鉱料を公表するよう圧力をかけた。アンゴラがその一例である。TIとNGOの グローバル・ウィットネス(Global Witness)は、米国証券取引委員会のような監視機関に対し、株式上場の条件としてそうした発表を行うことを取り入れるよう主張している。

発展途上国において援助機関と市民団体はともに、予算の完全な公開と、汚職・腐敗の取締りの責任を一層強く求めるようになっている。ピーター・アイゲンはGCR2003の中で、「昨年、援助機関はより多くのことを要求するようになり、汚職・腐敗防止政策と具体的手続きへの責任を求めるようになった。」と書いている。また、「援助機関は、市民団体が支出の監視に必要な情報へのアクセスの保障を求めるべきであるし、援助が学校や病院のような予定されている受け手や事業に届いているかどうかを検証すべきだ。」とも書いている。

また、ジェレミー・ポープは、「援助機関は、度重なる貸付や援助により秘密主義的な政権を支援しているように見受けられるし、援助の詳細は、本来援助を受けるべき市民からは隠されている。いくつかの国で、援助機関は口に出して言わないが、市民が前政権によって略奪された貸付金を取り返すことを期待している。」と述べている。

アフリカ各地のTI支部は、前の独裁者によって略奪され、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨークやリヒテンシュタインの銀行口座に隠匿されている資産の本国返還運動の先頭に立っている。昨年、ナイジェリアはかつての独裁者サニ・アバチャ(Sani Abacha)によって略奪された12億ドル(約1,400億円)の資金を取り戻すことに成功しかけた。しかし、アバチャの息子が、彼とビジネス仲間の一人に対する窃盗とマネー・ロンダリングの告訴を取り下げる内容を含む同意書にサインすることを拒んだため、返還は実現しなかった。

エンロン事件後の大掃除
アイゲンは、勇気付けられる事例として、いくつかの主要な企業がビジネスの在り方を浄化し始めた事例を引用している。そして、「2002年のTI贈賄指数(Bribe Payers Index 2002; BPI)によると、先進諸国の企業は、1999年に始めてBPIを発表した時に比べ、僅かだが贈賄に関係する傾向は減少している。しかし、英国と米国の企業はこうした傾向の例外にある。一方で、多くの企業は、賄賂を使わないことが経済的観点から見ても健全であることを理解している。」と述べている。

TIの財務担当エグゼクティブ・ディレクターであるジェーミン・ブルックス(Jermyn Brooks)は、企業統治(Corporate Governance)の改善には、聖域を設けない改革が必要だとしている。彼はGCR2003の中で、「真に独立した取締役が、取締役会の過半数を占め、かつ監査委員会と報酬委員会の議長になるべきである」と論じている。また、「取締役に関しては、報酬のすべての要素を財務諸表に記載し、毎年株主総会で投票を行うべきである」と述べ、続けて「監査委員会は、監査法人に与えられる監査以外の仕事を承認すべきである」としている。

また、「監査法人が、監査をする企業の定期的な変更を避けたいならば、最低限、監査法人内部での担当交替の後に、その監査業務を独立監査するための基準を作成すべきであり、その監査結果を文書にすべきである。これまでのところ、そのような要件を明確に定めた国はない。」と結論づけている。さらに、「監査法人は顧客の不正行為と賄賂を防止するシステムを検討し、改善点の提案を行ったことを示せるよう備えるべきだ」とも書いている。

TIは、行動基準(code of conduct)と法令遵守プログラを定め、その実施状況とモニター結果の詳細を年次報告書に記載することを勧めている。行動基準には、自国内あるいは海外子会社で行われる贈賄に立ち向かうための規定を組み込むべきである。この目的のためにTIは、BP、ジェネラル・エレクトリック(General Electric)、シェル(Shell)、タタ(Tata)を含む企業と協力して、「贈賄防止原則」を策定した。この原則には、直接的あるいは間接的な賄賂を確実に排除するため、すべての従業員を対象にした手引きを含む訓練プログラムが組み込まれている。ここには、発表内容の本文を記述します。


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