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2003年3月 トランスペアレンシー・インターナショナル四季報
理事長から
誠実な人が求められる時代
腐敗との闘いは、世界中の多くの反腐敗活動家や内部告発者にとって依然としてリスクの大きな仕事です。2月13日、トランスペアレンシー・インターナショナルの理事会メンバーであり、TIジンバブエの理事長であるジョン・マクンベが集会の最中に逮捕され、首都ハラレで留置中に暴行を受けたことは、TIのメンバーに衝撃を与えました。私はジョンがその後まもなく解放されたことに安堵しましたが、この事件は声高に不正を弾劾する者が直面する危険を思い知らされる憂鬱な出来事でした。
インドでは、別の反腐敗の闘士タジュン・テルパルが苦しい闘いに直面しています。テルパルは、2001年インド国防省内の汚職疑惑を暴くことに成功した調査追及型のウェブサイトtehelka.comの編集長として、現在はハラスメントや財務破綻の危機と闘っていますが、汚職疑惑をかけられ解任されたジョージ・フェルナンデスは再び国防大臣に登用されました。
私は最近、ジャカルタでニュース雑誌「テンポ」の編集長バンバン・ハリムルティがいやがらせを受けるのを直接目撃しました。ハリムルティは、TIインドネシアの顧問を務めている人物です。3月8日、金で雇われた暴漢らが「テンポ」の事務所を襲撃し、ハリムルティを警察まで引きずっていき、ビジネスマン・トミー・ウィナタの記事を撤回するよう脅迫したのです。私は、TIインドネシアの理事であるエミー・ハフィールドやジャーナリストらとともに警察に出向いてメディアの自由に対するこの攻撃に抗議しました。
2002年に紛争地域で殺害されたジャーナリストの数は減りましたが、バングラデッシュ、コロンビア、フィリピン、ロシアでは、ジャーナリストらが腐敗に関連する記事を書いたために殺害されています。一方、タイム・マガジンがシンシア・クーパー(ワールド・コム)、コリーン・ローリー(FBI)、シェロン・ワトキンズ(エンロン)を2002年の「話題の人」として讃えたことによって、企業の内部告発者の意義がようやく多くの人々から認められるようになりました。
TI が2000年に年次の社会倫理・誠実性大賞(annual Integrity
Award)を立ち上げたのは、このような個人の勇気を顕彰するためでした。今年は5月25日にソウルでの第11回国際汚職・腐敗防止会議の開会式の際に受賞式が行われます。人々が相応な生活を送る権利を守るために、自らの生活や生命さえ危険にさらす勇敢な男女のさまざまな話が伝わってきています。TIには、世界30か国以上から推薦状が送られてきます。セルビアの徴税制度を大掃除した国税長官から、モザンビークの銀行部門の腐敗を調査しようとして殺害された経済学者にいたるまでさまざまな人々が推薦されていますが、どの推薦状も、勇気こそが今日の世界で必須の資源であること、そしてそのことをしっかりと認識しなければならないことをわたしたちに思い起こさせてくれます。
ピーター・アイゲン トランスペアレンシー・インターナショナル理事長
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