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TIQ2003年3月号
見出しから >>世界の腐敗報告例
◎アフリカ
・ 赤道ギニア
秘密に覆われた石油収入
赤道ギニアでは、石油収入は貧困解消にほとんど役に立っていません。駐米ギニア大使やその他グエマ・ムバソゴ大統領に近い筋の情報として、同国の石油資金がワシントンD.C.所在のリッグス銀行に預けられているとロサンジェルス・タイムスは報じています。これらの情報筋やこの口座に詳しい筋によれば、赤道ギニアで操業するエクソン・モービル社やアメラーダ・へス社などの国際石油会社は、同国で稼いだ3億米ドル以上のエネルギー収益をこの口座に預金しているというのです。この資金はグエマ・ムバソゴ大統領の直接の支配下にあると言われています。この取引を懸念した国際通貨基金は、グエマ・ムバソゴ大統領が石油資金について説明するまでは赤道ギニアを援助しないと決めています。
L.A.Times、2003年1月21日
・ モーリシャス
元銀行幹部がマネー・ロンダーリング
モーリシャスで最も歴史が古く最大の民間銀行であるモーリシャス商業銀行(MCB)の元頭取が、2月19日、窃盗とマネー・ロンダーリング容疑で告発され、出廷しました。MCBでの財務疑惑の調査に着手したモーリシャス腐敗防止独立委員会(ICAC)は2日間の取り調べを行った後、ロバート・ルサージュを逮捕しました。全国年金基金がこの銀行に投資した8億ルピー(2900万米ドル)にのぼる資金が消えたことに関してICACの調査が進行中であると、国営テレビは報道しています。
ロイター、2003年2月19日
・ 南ア
政治家が詐欺罪で拘留
3月19日、プレトリアの法廷は、ベテラン政治家に懲役4年の判決を下しました。昨年末まで与党アフリカ国民会議の院内総務を務めていたトニー・イェンゲニは、議会を欺いたことで有罪を認定されました(もっとも、より重大な収賄容疑については無罪になりました)。議会の国防委員会議長であった1998年当時、四輪駆動車を47%のディスカウントで入手したことを報告しなかったというものです。この車は、南アの戦闘機購入の入札に参加していたEADSと密接な関係にあるダイムラー・クライスラー社が提供したものでした。
エコノミスト、2003年3月20日
・ ザンビア
前大統領収賄罪で訴追
ザンビアの前大統領フレデリック・チルバは、2期に及ぶ在任期間中に財務省から不正利得を得た容疑で2月に逮捕されました。彼は50
項目以上の窃盗と職権濫用で告発されています。チルバはザンビアの情報機関が利用しているロンドンの銀行口座を経由して公的資金を親族に送金したという容疑のほかに、武器取引にも関与しており、そのうち1200万ポンド(1900万米ドル)が行方不明になっています。チルバの逮捕は、最高裁判所が不逮捕特権を求めた控訴を棄却した日の翌日でした。
メール・アンド・ガーディアン、2003 年2月19 日;
ニューヨーク・タイムス、2003 年2 月25 日
◎米州
・ パラグアイ
大統領が弾劾裁判を免れる
この2月パラグアイの上院ではルイス・ゴンザレス・マッチ大統領の罷免に十分な賛成票があつまらず、大統領はかろうじて弾劾を免れました。2月11日の上院での投票結果は、罷免賛成が
25 、反対が18でした。大統領を罷免するには上院の3 分の2
の多数決、つまり少なくとも30票が必要でした。下院での投票に続き、上院は1月23日にマッチ大統領に対する弾劾公聴会を開催しました。大統領は中央銀行から1600万米ドルの詐取、国営電話会社の民営化に絡んだ不正疑惑など5件の汚職容疑で告発されています。彼はまた憲法違反のほか犯罪行為への関与でも告発されています。
EFE, 2002年12 月 12 日/2003年1月16日;
ニューヨーク・タイムス、2003 年1月24日;
ディアリオ・ノティシアス、2003 年2月12日
・ IDB
米州開発銀行の内部腐敗
米州開発銀行(IDB)の元上級幹部で、同行総裁と個人的に親しくしていたアルマンド・ナミスは、この程IDBの詐欺汚職防止委員会の勧告を受けて、刑事訴追のためにワシントンDCの司法局に付託されました。ナミスは同行では監査局に所属していましたが、請負い業者に斡旋した契約から10%の手数料を得たと告発されています。監査局のスキャンダルと疑惑の拡大は、引き続きIDBのエンリケ・イグレシアス総裁の頭痛の種になると、銀行当局は認めています。この事案が大陪審に持ち込まれれば、更なる不正行為疑惑に捜査が拡大するでしょう。特に、旅行記録と採用方法がイグレシアスの疑惑に加わると幹部は述べています。
インサイト・マガジン、2002年12月13日/
2003年1月29日
・ ペルー
スパイの元首領がとうとう審問に
かつてペルーのスパイのボスだったウラジミーロ・モンテシーノスの汚職裁判が2月に開始されました。モンテシーノスには、汚職、麻薬取引、武器売買、暗殺部隊の指令等57件の容疑がかけられています。彼は2001年6月以来海軍刑務所に勾留されていますが、2003年2月20日の週まで公判は行われませんでした。彼は担当裁判官の権威に挑戦する戦略をとってきましたが、裁判の遅れは彼だけのせいではありません。裁判官はどこで裁判するかに4か月もかけてきました。モンテシーノスはペルーの情報部局を不正にコントロールしたとして、非公開裁判で9年の判決を言い渡されました。
一方、ペルー議会は3月19日、アルベルト・フジモリ元大統領に対する汚職承認決議を採択しました。2週間で2回目の採択でした。元大統領が政府調達を不正に認可した責任を追及するものです。議会は45対0でフジモリの不逮捕特権を剥奪しました。司法省は共謀と違法な結社容疑で彼を逮捕できることになります。2人の議員が棄権したほか、欠席した議員は73名に達しました。ペルーは日本に対してフジモリ元大統領の引き渡しを要請しましたが、これまでのところ実現していません。
エコノミスト、2003年2月12日;
クリスチャン・サイエンス・モニター、2003年3月7日
・ 米国
ロサンジェルスの汚職スキャンダルで5人の公務員を勾留
ドライブ・イン射撃やギャングの逮捕劇で有名なロサンジェルス郊外にあるコンプトン市では、公的資金の不正流用容疑で元市長、現職の局長、市評議会議員5名中3名が逮捕されたことで、公務員をめぐる広範な汚職疑惑が頂点に達しました。逮捕者の中心人物は、1993年から2001年まで同市を治めていたオマー・ブラッドレーです。ロサンジェルス地検は過去3年間コンプトン市の汚職を捜査し、市の公用クレジット・カードが不正に使用された多くの証拠を発見したと見られています。ラスベガスやフロリダへの旅行、高額の歯科治療費の支払い、ホテル、レンタカー、リムジン等いずれも市の事業とは何の関係もないものに使われたというものです。
ザ・インディペンデント、2003年3月5日
◎アジア
・ 韓国
「太陽政策」の陰の側面
韓国では、2000年6月の歴史的な南北サミットの1週間前に現代商船が北朝鮮に対して行った巨額の不正送金をめぐる論争について、退陣する金大中大統領が2月に謝罪しました。金大統領によれば、北朝鮮での7
件の主要開発プロジェクトを推進する権利の見返りとして現代商船から資金提供がありました。大統領は、南北関係の二面性や北朝鮮体制の閉鎖性のために、政府は北朝鮮とは「法的枠組みを越えて」対処しなければならない問題があることを理解してほしいと国民に求めました。しかし、政敵たちは以前から、南北サミットに金正日を確実に参加させるために、政府は現代商船を極秘支払いの道具に使ったのだと主張していました。そのサミットの功績で金大中大統領はノーベル平和賞を授与されたのでした。
ファイナンシャル・タイムス、 2003 年2 月3 日;
BBCモニタリング・サービス, 2003 年2 月14 日
・ ベトナム
「第5のオレンジ」が剥かれる
ベトナムで最強の組織犯罪のボスとみなされているトロン・バン・カムの裁判が14か月以上続いた取り調べの後、2月25日、ホーチミン市で開始されました。ベトナム政府は、この男──ナム・カム(「第5のオレンジ」)というほうがよく知られています──を殺人、ギャンブル及び贈賄の罪で告発したほか、違法カジノ、麻薬販売、売春、強奪といった巨大事業の推進と隠蔽の罪で154人を告発しました。
このなかには、警察官,
共産党幹部、検察官、ジャーナリストもいます。彼を保護したり、刑期短縮を助けたり、その組織や犯罪を目こぼしして金を受け取ったりした連中です。有罪となれば、カム氏と少なくとも他の12人は銃殺刑となります。共産党はこの裁判を、ベトナムが
国内の腐敗に真剣に取り組んでいる証拠に使っていますが、国内外のオブザーバーは、この途方もない訴訟手続きは見世物に過ぎないといっています。
ファイナンシャル・タイムス、2003 年2 月26 日;
オークランド・トリビューン、2003 年3 月9 日
◎ヨーロッパ
・ フランス
エルフの裁判はフレンチ・コラプションの時代に幕を閉じる
フランスの歴史上最大となる汚職裁判が3月17日開始され、37人が被告席に立ちました。1980年代後半から1990年代前半にかけて、当時の国営石油グループのエルフ・アキテーヌから4億ユーロ(4億3000万米ドル)近くの不正利得や政治的なリベートを得たというものです。エルフは2000年、フランスの石油会社トタール・フィナに買収され、フランス政府の管理を離れました。エルフはフランスの政治家への資金提供のほかにも、アフリカでの政治買収にも深く関わってきました。エルフはまた、フランスの故大統領フランソワ・ミッテランと当時のドイツ首相ヘルムート・コールが仕組んだ東独の精製施設投資をめぐる「レウナ事件」にも関与していました。もうひとつ政治的に厄介な事件は、イラク生まれでロンドン在住の著名なイギリス人、ナドミ・アウチにかかわるものです。アウチは1991年スペインの石油グループ、セプサ・エルトイルの買収で違法に3,920万ユーロ(4,130万米ドル)を得たという嫌疑がかけられています。アウチ氏への国際逮捕礼状はこれまで執行されていません。
ファイナンシャル・タイムス、2003年3月18日
・ オランダ
スキャンダルで食品スーパー大手のアホールドに打撃
ワールドコムやエンロンがまだ投資家の記憶に残っているこの2月に、欧州も企業会計スキャンダルに直面することとなりました。世界第3位の食品スーパー、アホールドが過去2年間に巨額の収益を水増していたことを認めたのです。経営トップ2
人が辞任したほか、米国の食品サービス子会社の収益が前倒し計上されていたかどうか調査する間、経営幹部数名が停職を命ぜられました。アホールドは、過去2年間に少なくとも500万米ドルの利益を過大計上し、2001年の利益を下方修正すると発表したため、アムステルダム取引所での同社の株価は
63%下落しました。
AP 、2003 年2月25日
・ ポーランド
不透明な取引
ポーランド議会が1月、一流の映画プロジューサーがレスゼック・ミラー首相の政党に代わって数百万ドルの賄賂を要求したという告発について調査を開始しました。メディア集中新法の策定には、日刊紙『ガゼタ・ウィボルチャ』の親会社による国営テレビ・ネットワークの買収が確実に出来るよう取り計らってほしいと、リュー・リウィンが1,750万米ドルの賄賂を持ちかけたという同紙編集長アダム・ミチニックからの告発について、検察は調査中です。リウィンは議会での証言を拒否し、ミラーは賄賂疑惑を否定しました。ミチュニックは、ポーランドの欧州連合への参加を覆すことになるかもしれないという懸念から、5か月間本件の報道を差し止めたといっています。近年にない汚職スキャンダルとして本件は、ポーランドを釘付けにしました。[
編集者注: TIポーランドは、本件では議会調査委員会のすべての会合にオブザーバーとして参加しています。]
ニューヨーク・タイムス、2003 年2 月12 日;
ザ・クリスチャン・サイエンス・モニター、2003 年3 月7 日
◎中東/北アフリカ
・ エジプト
カイロ銀行の役員が汚職で逮捕
カイロ銀行の前マネジング・ディレクター、モハメド・アブル・ファテーがエジプト当局によって汚職容疑で逮捕されたと、政府系新聞アル・アクバルが報道しました。
報道によれば、彼は4人のビジネスマンに総額15億エジプト・ポンド(3億2200万米ドル) の無担保融資を供与したと告発されています。4
人のうち3人は拘留中、ひとりは逃走中です。気前のいいファテーの恩恵にあずかったもう一人のビジネスマンでありカーディーラーのホッサム・アブ・アルフツーも、17億ポンドにのぼる融資について警察の尋問を受けています。その資金のほとんどがカイロ銀行から出たものです。
ミドル・イースト・オンライン、2003 年1 月9 日
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