9月の10大腐敗・汚職報道

1.    

1 リストラの到達点(事故多発)

2. 「平成の大徳政令」(産業再生機構始動)

3.  閉鎖系社会の崩壊(医学部名義貸し問題)

4.  医者の常識(医療過誤問題)

5.  大義なき国家の援助政策とは?(ODA問題)

6.  環境ビジネスの影

7.  情報の価値(信用情報漏えい問題

8.  平成のお家騒動は終幕へ(道路公団問題)

9.  「腐敗のデパート」は今日も多忙(警察官汚職)

10.  地方住宅公社の惨状(千葉県住宅公社)

 

 

2.    

1.リストラの到達点(事故多発):

 原発関連の事故は電力各社で相次いでいるが、9月には他の一流企業でも予想外の大事故や不祥事が突如頻発し始めた。

ごみ燃料(RDF)発電所爆発では富士電機、バスの無免許運転では名鉄バス、JRバス関東、中国JRバス、ブリジストン栃木工場や新日鉄名古屋製鉄所の火災事故、千葉のごみ施設建設に絡んだ佐藤工業から荏原製作所への3億円の裏金供与、表示義務違反でイオンから告発され、食品衛生法違反容疑で立件されたプリマハム、JR東日本の高架工事復旧トラブル、出光興産苫小牧製油所での大爆発、石播の防衛庁向け装置無断使用等々である。

事故や不祥事発覚の後判明するのは、お粗末なリスク管理体制、顔が見えない経営者、監督官庁との馴れ合いによる幕引きという相変わらずの日本的経営体質である。

加えて、例えばブリヂストンは工場火災による損失額は360億円としているが、そこには地域住民や環境その他の外部に与える損失は算入されていない。

 

我が国の現場での品質管理はつい最近までは、高い評価を得ていた。

事故を起こした企業は、破綻した土建業者である佐藤工業を除けば、全て平成の経済危機を乗り切った一流会社である。

厳しいリストラを余儀なくされた企業ばかりではあるが、今日の事態に至ったのはひたすら財務リストラにまい進した結果といえる。

人間の要素を軽視した経営には、一度の危機を乗り越えても、二度目はなく、市民もそれを許してはならない。

以下は、不祥事の主要報道である。

 

l         三重県警が県、消防、業者一斉捜索へ RDF発電所爆発(朝日:9.02)

l         [飲酒バス運転]「人事管理体制を根本から見直せ」(読売社説:9.02

l         2日朝、県など家宅捜索 発電所爆発事故で三重県警(佐賀:9.02)

l         社説2 東電は危機を回避できたか(日経社説:9.03

l         ゴミ燃料爆発事故、県や富士電機など捜索(読売:9.03

l         人災と判断、ゴミ燃料爆発…無対策稼働の責任究明へ(読売:9.03

l         [核再処理工場]「ずさんな工事の根絶が出発点だ」(読売社説:9.03

l         発電所に安全設備設置せず…三重県「要領」に反して(読売:9.05

l         全国のRDF発電所を保安院が点検、異常なし(読売:9.06

l         [ごみ発電爆発]「環境技術も『安全』を忘れるな」(読売社説:9.06

l         元取締役ら起訴事実を認める 名鉄バス無免許運転隠し(朝日:9.06)

l         りそな、過去の経営実態を内部調査へ 融資判断を再検証(朝日:9.06)

l         もろいRDF製造 測定データで裏付け(佐賀:9.06

l         日本興亜生保が不正販売 生保数十件、金融庁も調査(佐賀:9.06

l         技能講習修了証を不正交付容疑、元教習所長を告発(朝日:9.09)――指定教習機関最大手のコマツ教習所(本社・川崎市)の和歌山センタ(和歌山市)元所長(66)を虚偽公文書作成と詐欺の疑いで大阪府警に告発した。

l         在庫少ない自動車業界、相次ぐ工場事故に調達先探し(朝日:9.09)

l         大工場火災 気のゆるみはなかったか(産経社説:9.10

l         大企業事故 投資再開促す声が聞こえる(毎日社説:9.10

l         1次冷却水漏れの泊原発2号機、原子炉の運転停止(朝日:9.11)

l         女川原発2号機、シュラウドのひび割れ75個(朝日:9.11)

l         経産省、「産業事故対応会議」を設置(日経:9.11)

l         モーター30年間交換せず ブリヂストン栃木工場(佐賀:9.11)

l         ごみ固形化燃料発電施設、4分の1が事故経験(日経:9.13)

l         新日本製鉄名古屋製鉄所でまた出火(毎日:9.13

l         手順書に反しタンク清掃 エクソンモービル油槽所火災(佐賀:9.13

l         実は作業員2人重傷 陥没事故で報告せず(佐賀:9.13)――JV側は「最初は軽傷と考え、報告が遅れた」と説明しているが、建設局は虚偽報告に当たるとして、業者の処分を検討する方針

l         自己発熱で異常高温に ごみ発電所爆発で調査委(佐賀:9.14

l         宮城県石巻市の造船所で爆発、作業員1人が死亡(読売:9.17

l         車検切れバスを3日間運行 京福バス、車両取り違えで(佐賀:9.17

l         日ハム子会社、牛肉不正格付け2年間で822(朝日:9.18)

l         ブリヂストン:栃木工場火災 出火当日に溶接作業?(毎日:9.18)

l         けが人隠したのは鉄建公団 長野のトンネル陥没事故(佐賀:9.18)

l         佐藤工業、荏原に3億円の裏金 千葉のごみ施設建設絡み(朝日:9.19)

l         入札巡り右翼街宣、ごみ処理施設「業者指名」し直す(読売:9.19)――荏原など警告にとどまった業者を含めて計4社を指名し直して入札を実施した。この後、右翼の街宣活動は止まった。

l         残業代未払い9億3000万 中部電、社員6500人分(佐賀:9.20

l         中国JRバス、車検切れのまま81日間運行(日経:9.20

l         荏原、2億9千万円所得隠し 国税「談合協力金」と認定(朝日:9.23)

l         酒気帯び乗務容認の疑い、JRバス関東など書類送検へ(読売:9.23)

l         ブリヂストン工場火災、損失額は360億円(朝日:9.25)

l         消防士6人がPTSD 三重のごみ発電所爆発(産経:9.25

l         廃棄物処理法違反で告発へ ごみ発電事故で県と業者を(佐賀:9.25

l         石川・志賀原発で圧力容器の清掃中に水漏れ(読売:9.26)――北陸電力(富山市)

l         無免許乗務3年間で16人 中部で自主調査、処分せず(佐賀:9.26

l         無許可で灰処理と告発状 ごみ発電で県の責任追及(佐賀:9.26)――市民団体「廃棄物処分場問題全国ネットワーク」(東京)は、RDF焼却灰を無許可で処理したのは廃棄物処理法違反だとして、浜田智生・県企業庁長と運営委託先の富士電機(東京)の告発状を三重県警に提出

l         酒気帯び運転容認容疑、JRバス関東を異例の書類送検(朝日:9.27)

l         三重のごみ発電所爆発、事故から45日目に鎮火(読売:9.28

l         製油所でまたタンク火災 北海道・苫小牧 (朝日:9.29)――出光興産北海道製油所

l         走らぬ代行バス、乗客から「人災だ」 JR復旧トラブル(朝日:9.29)

l         JR中央線工事、8時間遅れ終了 配線ミスで信号故障(朝日:9.29)

l         JRの甘い判断に重なるミス、「休日台無し」怒りの声(読売:9.29

l         4年で火災6度も、安全管理に疑問符…出光製油所(読売:9.29

l         製油所火災:北海道が出光幹部を呼び厳重注意 (毎日:9.29)

l         石播が防衛庁向け装置を無断使用 1100万円国庫返納(朝日:9.30)

l         プリマハム、食品衛生法違反容疑で立件へ 表示義務違反(朝日:9.30)

l         北海道の出光製油所火災、44時間ぶり鎮火(日経:9.30)

l         JR東日本社長「再発防止徹底を図る」(日経:9.30)

l         看過できない連続工場事故(日経社説:9.30)

l         中央線トラブル できない約束した罪深さ(毎日社説:9.30)

 

2.「平成の大徳政令」(産業再生機構始動):

 わが国の経済再生には、金融再生と共に、産業再生が必須であることは、論を俟たない。10年にわたる官・業の失敗の先送りが、国民経済をそれほど深刻にしてしまったからである。

 問題は、その再生を国家主導で行おうとしていることにある。そこでは、結果についての責任が曖昧であり、唯一明らかなことは失敗のつけは国民に来るということだけである。

 

 それでも、民間は、これほど明らかな国家支援にも余り乗り気ではない

りそな銀行の国有化で明らかになったように、最後の最後は国が面倒をみるので、経営責任を回避するには極力先送りするほうが得だという「モラル・ハザード」がこの方式に組み込まれていることを見破っているからである。

 

l       再生機構、三井鉱山への支援決定 債権放棄1710億円 三井鉱山の支援の枠組み(朝日:9.02)

l       再生機構――小ぶりなスタートだが(朝日社説:9.02)

l       民都機構の九州産交向け債権の放棄認める方針 国交省 (朝日:9.04)

l       冨山・再生機構COO「6カ月メドに再建」(日経:9.04)

l       ダイエー、再生機構に福岡事業支援を正式要請(日経:9.06)

l       再生機構、破たん企業支援(日経:9.26)――家電量販店大手で大阪証券取引所一部上場のマツヤデンキと中堅化学商社の明成商会(大阪市)

 

3.閉鎖系社会の崩壊(医学部名義貸し問題):

 丸山真男は「タコツボ型社会」とよび、中根千枝は「タテ型社会」と呼んだ。日本人の「タコツボ志向」は、たぶん江戸時代から始まったのであろう。

鎖国や幕藩体制、ムラ社会という入れ子細工のような閉鎖型社会を三百年も続ければ、その残滓が残るのも止むを得ない。

取り分け、明治維新や米軍進駐期にも真の民主主義革命を達成できなかった国なのだから。

 

 それでもこのような閉鎖型「タコツボ」社会は、徐々に崩壊に向かっている。

そのひとつが医療の世界である。医者の「タコツボ」社会は、大学の医局制度を基盤とし、医局長である大学教授に支配される医者や医療機関の強固なピラミッド構造で形成されている。

その結果が、論文は掛けるが手術ができない危険な医者を大量に生み出し、多数の不幸な医療事故を引き起こしてきた。

 社会が透明性を求める時代には、奇習とも思えるさまざまな「名義貸し」問題が露呈され、早晩「タコツボ」は打ち壊されるしかない。

 

l             名義貸し――医師の倫理はどこに(朝日社説:9.03)

l             医師名義貸し、国公私立大に文科省が調査表(読売:9.06)

l             文化次官、医師の名義貸しで各大学に詳細調査求める(読売:

9.09)

l             東北大医学部長ら10教授、委託費名目1千万円受領(読 

:9.11

l             22年間で1億3000万円 釜石市民病院から東北大に(朝日:9.12)

l             1千万円受領問題で近く調査の方針…東北大医学部(読 

:9.12

l             委託業務費を研究費に使用 東北大教授らに1千万円(佐賀:9.12

l             2億6000万円を不正受給 福井の病院、指定取り消し(佐賀:9.12)――医師の名義を借りるなどして診療報酬を不正に受給

l             財団が仲介、21公立病院など東北大へ2000万円寄付(朝日:9.13)――東北大の医学部教授や卒業生らで作る財団法人「艮陵(ごんりょう)医学振興会」が

l             道の過疎地派遣モデル事業、北大医師らに奨励金渡らず(読売:9.13)

l             寄付:5県の病院が東北大医学振興会に2千万円 医師派遣受け (毎日:9.13)

l             岩手県医療局、大阪市に百万円など寄付 東北大以外にも(朝日:9.14)

l             北大第1外科、幹部が研修奨励資金の流用認める(読売:9.14)

l             医師派遣お礼、岩手県800万・盛岡市230万(読売:9.14)

l             名義借り病院に立ち入り検査へ 厚労省、都道府県に通知(産経:9.14)

l             ウニ、アワビ…医師派遣求め三陸の自治体が贈答攻勢(読売:9.15)

l             医師130人が名義貸し 北海道・旭川医大(佐賀:9.18)

l             旭川医大、名義貸し128人 勤務実態なしは53人(朝日:9.19)

l             研究費など不正に受け取る、島根医大の教授停職3か月(読売:9.19)

l             金沢大教授、留学助成金の流用などで停職5か月の処分(読売:9.20)

l             金沢大が教授2人停職処分 カラ出張、論文盗用などで(佐賀:9.20)

l             東北大医学部、学会費への寄付も要請…総額325万円(読売:9.22)――岩手県医療局と派遣先の病院に

l             すみだ医師会の元事務長、1億円横領で逮捕(日経:9.23)

l             札幌医大、道内5町村から寄付金計1455万円(読売:9.25)

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