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2004年世界腐敗バロメーター(Global
Corruption Barometer)
公表;グリニッチ標準時2004年12月9日9:30(日本時間9日17:30)
2004年TI世界腐敗バロメーターによれば世界の多くの国で「政党」の腐敗度が最悪
10ヶ国のうち6ヶ国まで「政党」の評価は最悪と判定された。各国政府は、国連腐敗防止条約の批准を手始めに腐敗防止に特段の努力が必要だ。
パリ/ベルリン、2004年12月9日…国連の「国際腐敗防止の日」にあたり、トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)が公表した新しい世論調査によると、世界の世論は政党がもつとも腐敗に汚染された機関と考えている。TIは全世界で活躍している大きな国際NGOで腐敗との戦いに力を注いでいる。
調査の対象になった62ヶ国のうち36ヶ国で「政党」はもつとも腐敗に汚染された機関という世論の判定を受けた。 腐敗なしを1点とし、もっとも高い腐敗度を5点とする幅の中で「政党」は平均で4点とされた。最悪がエクアドルであり、アルゼンチン、インド、ペルーがこれに続く。同じく世論は、政治腐敗または大型腐敗を深刻な問題と受け止めており、企業活動や個人生活よりも政治生活面の方がもっと腐敗に汚染されているとしている。
2004年TI世界腐敗バロメーター(GCB)によれば「政党」の次に世界的に腐敗した機関といえば「政治家」であり、「警察」と「司法機関」がそれに続く。この調査は総数64ヶ国の一般人50,000人を対象とし、2004年6月から9月までの間、人々の意識調査の一環として国際ギャロツプ調査機関がTIのために実施したものである。
TI-カメルーンのアケル・ドゥ・ムナ理事長は「政治的腐敗をまったく認めない政策を強力に推し進め、政治家が自分には法律は適用されない、すなわち、人々から物を盗み取り、国会免責の陰に隠れるような慣習に終止符を打つために、国際協力という手を打つときである」と今日パリで語った。同氏は「政党および選挙で選ばれた政治家は、投票した人々から大きな期待と権力を託されているのだ。政治的リーダーは権力を手に入れたからといって、個人的な利益のためにこの信託を濫用するようなことがあってはならない」とも語った。
今日、この最初の国際腐敗防止の日にちなみ、全世界でTIの各国提携団体が国連腐敗防止条約の批准のために、それぞれの政府および国会に批准に向けての圧力をかけることであろう。発効には30ヶ国の批准を必要とするが、今までのところ12ヶ国が批准した。国連腐敗防止条約は、政治家が盗んだ財産を差し押さえ本来の正しい権利者のもとにも戻すことを容易にする。また海外に逃避した汚職政治家の本国送還を容易にするであろう。
調査した国のうちの5ヶ国(カメルーン、ケニア、リトアニア、モルドバ、ナイジェリア)では、少なくとも3人に1人は自分もしくは家族の誰かが過去12ヶ月間で賄賂を支払ったといっている。2004年TI世界腐敗バロメーターは、貧乏人がもつともの腐敗の被害を蒙っていることを示している。低所得の回答者の半数は、小規模腐敗が大きな問題だと信じている。一方、高額所得の回答者の38%も同様に感じている。貧乏人は個人と家族の生活に腐敗が最大の影響を及ぼしているといっている。
本年のTI世界腐敗バロメーターは、世界中の人々が悲観的になっており、5人に1人はこれからの3年で腐敗は大いに増えるという見方をしている。アケル・ムナ氏は「われわれはそれでも、人々が明らかに問題意識をもち、変化に向けて関心をもっていることに元気づけられる」と述べ「国際腐敗防止の日は、政治権力を持つ者の腐敗の砦を打ち砕き、人々が政治生活を目にみえて浄化できるような腐敗防止の措置を求めて立ち上がる機会を提供するものである」と強調した。
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危機に立つ機関
「政党」をもつとも腐敗度の高い機関とした人々の選択は、昨年のTI世界腐敗バロメーターとも一致する。この結果について、TIの国際事務局の総合企画部長コバス・ドゥ・スワット氏は、「政党は、政府の指導者や議員の練習場である。各国の法律は、政党および選挙候補者に個人のためや政策上の利益を受けるための贈与の収受を禁止し、その資金源を公開させるべきである。政党は内部規定を作り、公正に選挙候補者を選び、選挙運動をクリーンにし、汚れた資金源を排除し、寄付の資金源を公開することで腐敗を払拭し透明度を高めるべきである」とコメントした。
しかし、すべての国で「政党」がもっとも腐敗しているとみなされているわけではない。2004年TI世界腐敗バロメーターによれば、アルゼンチン、インドネシア、韓国、台湾、ウクライナにおいて、「政治家」と「政党」の腐敗度は同じとみている。
カメルーン、グルジア、ガーナ、グアテマラ、ケニア、マレーシア、メキシコ、モルドバ、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、ロシア、南アフリカ、ウクライナ、ではもつとも腐敗度の高い機関としては「警察」が挙げられている。アフガニスタン、クロアチア、マケドニア、ベネズエラ、では「司法機関」がもつとも腐敗しているとみなされている。
香港、オランダ、ノルウェイ、シンガポールでは「企業」がもつとも腐敗しているとみなされている。ポルトガル、トルコでは「税務署」が、アルバニア、ブルガリア、カメルーン、コソボ、リトアニア、モルドバ、ルーマニア、ウクライナでは「税関」が腐敗の筆頭に上げられている。
大規模腐敗と小規模腐敗;どちらがより大きな問題か?
世界中で、大規模腐敗または政治腐敗―指導的立場にあるエリートや大企業など社会の上層階級による腐敗が大変に大きな問題だと回答者の57%が答えている。小規模腐敗あるいは行政の腐敗―これらは普通の人々の日常生活での腐敗―許可書を受けるときとか交通違反のときの賄賂などを大きな問題としているのは、より少なくて45%である。しかし、10人中8人が大規模腐敗も小規模腐敗もともに大きな問題として取り除かなければならないと思っている。
コバス・ドウ・スワット氏は次のように述べている。「政治腐敗は出し手も受け取り手もともにずるい狡猾な犯罪である。国際ビジネス社会も「政治家」と同様に大規模腐敗の責任を負わねばならない。世界中がその規模の大きさと、引き起こされる損害に憂慮しているのだ。」
小規模あるいは行政の腐敗は先進工業国の多くで大した問題にはされていない。特に北欧諸国とシンガポールでは問題視されていない。例外的に小規模腐敗も無視できないとする国はフランス、ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペインだ。もちろん、これらの諸国でも発展途上国と同様に、大規模腐敗も大きな問題とみているのだが。
ブラジルでは回答者中99%の人が小規模腐敗も大規模腐敗もともに重大な問題とみている。エクアドルやトルコの人々も同様である。
腐敗は自分や自分の国にどんな影響を与えるか?
腐敗が政治生活面に与える影響は、個人や家族生活やビジネスに与えるよりももっと大きいとみられる。西欧諸国では、フランス、ギリシャ、アイスランド、イタリアで10人中5人以上が腐敗は自国での政治生活面に大きな影響を与えていると感じている。だが、オランダでは10人中わずか1人だ。
中欧、東欧諸国で、腐敗が政治生活面に影響を与えていると半数以上の人が思っている国はボスニア・ヘルツエゴビナ、ブルガリア、チェコ共和国、ラトビア、リトアニア、モルドバ、ポーランド、ルーマニア、ウクライナなどである。アフリカ諸国ではナイジェリアで10人中6人の高い率である。ボリビア、ブラジル、ペルーでは10人中8人、アルゼンチン、メキシコで10人中6人、グアテマラ、ベネズエラは10人中3人。イスラエル、韓国、台湾では10人中2人である。
日本、シンガポール、そして多くの西欧諸国では腐敗がビジネスに与える影響について全く心配していない。ただし、例外はイタリアとギリシャで10人中5人が大いに影響すると思っている。中欧、東欧諸国では、ボスニア・ヘルツエゴビナ、クロアチアではビジネス面での影響を心配している。カメルーン、ガーナ、ケニアそしてトルコ、韓国、台湾では2人に1人が影響を心配している。ブラジルやペルーでは10人中6人。
個人や家族生活での影響を聞かれると、先進国と途上国とでは大きな違いが出てくる。ほとんどの先進国では影響は非常に低いと思われているが、例外はカナダ、ギリシャ、香港、イスラエル、台湾、そして米国だ。10人中4人が影響ありと答えている。ボリヴィア、ボスニア・ヘルツエゴビナ、ブラジル、エクアドル、ガーナ、インド、ケニア、メキシコ、パキスタン、ペルー、フィリピン、トルコでは3人に1人が個人生活への大きなマイナスの影響があると回答している。
賄賂を払っているのは誰か?
世界中で、回答者やその家族でこの12カ月の内で賄賂を支払ったことがあると答えた人が10%いた。 カメルーンでは、調査を受けた人の大半が家族の誰かが過去1年間に賄賂を支払ったと認めている。EU諸国では、ギリシャで11%の人が経験している。反対に南アフリカでは先進諸国と同じように支払の程度が低い。
賄賂の経験
過去12カ月間にあなたはが、または家族の誰かが、どんな形ででも賄賂を支払ったことがありますか。
はいと答えた人 50%以上 カメルーン
41−50% なし
31−40% ケニア、リトアニア、モルドバ、ナイジェリア
21−30% アルバニア、ボリビア、チェコ共和国、エクアドル
ガーナ、フィリピン、ルーマニア、ロシア、ウクライナ
11−20% ボスニア・ヘルツエゴビナ、ブラジル、コスタリカ、エジプト、ギリシャ、グアテマラ、インド、インドネシア
コソボ、ラトビア、メキシコ、パキスタン、ペルー
5−10% アルゼンチン、ブルガリア、クロアチア、エストニア
韓国、グルジア、マケドニア、ポーランド、トルコ
ウルグアイ、ベネズエラ
5%以下 オーストリア、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、香港、アイスランド、アイルランド
イスラエル、イタリア、日本、ルクセンブルグ、マレーシア、オランダ、ノルウェイ、ポルトガル、シンガポール、南アフリカ、スペイン、スイス、台湾、英国、米国
腐敗が改善していると思いますか、それとも悪化していると思いますか?
将来に対する期待に目を転ずると、全世界で回答者の45%がこの先3年間で腐敗の程度は高まるとみている。一方、減少するとみているのは僅か17%。 これで分かることは、2003年にこの調査を始めてから人々の期待値は好転していないことだ。
一番悲観的な見方をしているのはエクアドルとコスタリカだ。4人中3人が悪化するとみている。インドネシアが一番楽観的だ。3人中2人が今後、腐敗は減少すると考えている。中欧と東欧諸国はやや楽観的で、特にグルジアとコソボが楽観的だ。
ラテンアメリカの5カ国では回答者の過半数が将来、腐敗がかなり増加すると考えている。アフリカ諸国ではナイジェリアが最も悲観的で、ガーナが最も楽観的。インドも非常に悲観的で10人中8人が今後3年間に腐敗が増加するとみているが、パキスタンでは10人中6人が同様にみている。フィリピンでは10人中7人は腐敗が増加すると考えている。
ドイツ、オランダ、ノルウェイ、ポルトガル、スイスは人々が今後腐敗は増加すると考えている西欧諸国だが、ギリシャとアイスランドは楽観的だ。
今後3年間に腐敗がどう変化するか?
悲観的な国 2004年 2003年
エクアドル 62% N/A
コスタリカ 61% 32%
フィリピン 54% N/A
調査国平均 21% 20%
楽観的な国 2004年 2003年
インドネシア 45% 14%
ガーナ 25% N/A
グルジア 23% 1%
調査国平均 3% 5%