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トレンスペアレンシー・インターナショナル
世界汚職・腐敗報告書2003年版からのハイライト


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巻頭言:トランスペアレンシー・インターナショナル理事長 ピーター・アイゲン


社説への賄賂:メディアの非倫理的な慣行を暴露

賄賂を受け取って社説を書くなどのメディアの非倫理的な慣行は世界中で見られますが、特に南欧、東欧、中南米で顕著です。国際広報連合IPRA(International Public Relations Association)の調査によれば、これと無縁な地域はありません。2002年7月に出版された研究報告書は、54カ国、242の広報機関と報道機関を調査対象としています。

東欧では回答者の3分の2近く(63%)が「zakazukha」―ロシア語で社説の内容と引き換えにジャーナリストが賄賂を受け取ることを意味する―は自国ではよくあることだと思っています。東欧では回答者のわずか13%が、社説の内容は「たいてい」あるいは「必ず」賄賂よりも編集者の見解に基づいていると信じているにすぎません。南欧、アフリカ、中東では、回答者の40%が、社説の内容は概して賄賂の影響を受けると思っています。

一方、アジアのメディアは世界で最も透明性が高いことがわかりました。68%の回答者が、編集方針は「たいてい」あるいは「必ず」賄賂より編集者の見解に委ねられると答えたからです。北米が65%でこれに続き、オーストラリアが60%、北欧・西欧が59%でこれに続いています。

編集者やジャーナリストが、賄賂を受け取って記事の掲載をやめることはあるのでしょうか?中南米では、41%の回答者がそのような賄賂がよく受け取られていると答えています。

メディアの役割

フィリピンの週刊紙『Zamboanga Scribe』の編集長エドガー・ダマレリオ(Edgar Damalerio)氏は、2002年5月13日に射殺されました。彼は地元政治家と警察の間の汚職・腐敗に対する批判で知られていました。また、南ロシアのトリアッティ(Togliatti)では新聞『Tolyatinskoye Obozreniye』の編集者ヴァレリー・イワノフ(Valery Ivanov)氏が2002年4月29日に殺されました。この新聞は、組織犯罪と公務員の腐敗に関する報道でよく知られていました。

バングラデシュでは、日刊紙『Dainik Purbanchal』の記者ハルヌール・ラシド(Harunur Rashid)氏が公務員の汚職に関する記事や、犯罪シンジケートと非合法の毛沢東主義ゲリラグループの関係に関する記事を書いた後に殺されました。さらに、コロンビアの新聞『La Patria』のコラムニスト、オーランド・シエラ・ヘルナンデス(Orlando Sierra Hernandez)氏は、2002年1月30日に頭部を撃たれ、2日後に死亡しました。彼はコラムでしばしば政府の汚職・腐敗を非難していました。


地域別ハイライト―『世界汚職・腐敗報告書2003年版』

西欧

企業間の贈賄事件を起訴することの重要性は、この20年で最大の贈賄スキャンダルを裁いたイギリスでの裁判の経過を通じて広く知られるようになりました。事件は、食品製造業ホブソンズ社のCEO(最高経営責任者)が、協同卸売会社(CWS)との有利な契約を延長するために、系列会社の銀行預金口座から240万ポンド(約4億5,600万円)を横領したというものです。CWSの役員2名が告訴されて裁判にかけられ、それぞれ100万ポンド(約1億9千万円)の賄賂の受領で有罪判決を受けました。

ドイツでは、1999年からキリスト教民主同盟が政党資金のスキャンダルに巻き込まれているのに続いて、2002年3月には与党の社会民主党(SPD)が自党の政治資金のスキャンダルのぬかるみにはまりました。ケルンでは、SPDの職員が1994年から1999年の間に260,000ユーロ(3,084万円)の企業献金を受け取ったといわれています。数年来のこのスキャンダルは、ドイツの組織的な問題として、国内の腐敗に対する意識を国民の間に目覚めさせました。

OECD贈賄防止条約に適合した新たな贈賄禁止法が2002年2月に施行されたことで、イギリス政府は他のOECD諸国より一歩先んじました。外国政府高官に対する贈賄を違法とする他のOECD諸国の法律とは異なり、この新しい法律は便宜を図ってもらうための支払いをも違法としています。ところが、イギリス産業連盟は、イギリス企業が競争上の不利益を被るとして、便宜を図ってもらうための支払い―政府の日常業務を円滑に行ってもらうための少額の支払い―をこの法律で禁じたことを非難しました。

イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相(訳注:イタリアのメディア王、右派指導者、Forza Italia党首。イタリア首相(1994と2001〜)。初回の首相時代は収賄容疑で短命に終わる)と彼の仲間の多くが収賄と不正経理で告発されましたが、首相は汚職・腐敗との戦いを、捜査を担当する判事との戦いにすりかえてしまいました。2001年末には、判事の仕事を著しく妨害する新しい法律が国会によって制定されました。これにより、イタリアでは明らかな不正経理でも刑事犯として裁かれることがなくなり、この変更はマネー・ロンダリングの強い動機となり得るでしょう。汚職・腐敗やマフィア事件を扱う予審判事の行く手を塞ぐ障害には、護衛官の解雇も含まれていました。2002年1月には、裁判官・弁護士の独立に関する国連特別報者が、ベルルスコーニ首相にイタリア政府が司法の独立に関する国連の基本原則を遵守することを求めました。

ドイツ連邦政府は2002年4月に、信用できない企業の名簿の作成を許可する法案を議会に提案しました。この名簿は、賄賂の支払いや不法労働者の雇用のほか、汚職・腐敗に関わった企業のリストになるはずでした。しかし、残念ながらこの提案は抵抗に遭いました。この法案はドイツ連邦議会上院(Bundesrat)に二回提出されましたが、過半数で否決されました。

スペインの銀行BBVAの汚職・腐敗疑惑の捜査は、この数年間でヨーロッパの金融部門に打撃を与える最大のスキャンダルのひとつに発展しました。2002年4月に始まった捜査は、1999年にArgentaria銀行と合併する前のBanco Bilbao Vizcaya(銀行)の業務に関するものでした。この銀行は、ジャージー島、リヒテンシュタイン、スイスに2億2500万ユーロ(約267億6千万円)の秘密口座を持っていたといわれています。この秘密口座は詐欺、横領、マネー・ロンダリングの温床となっていたとみられます。この金はまた、ベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領やペルーのアルベルト・フジモリ前大統領の選挙活動資金にも充当されていたといわれています。

イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スイスの企業を含む、いくつかの大規模多国籍建設会社が、レソトの高原開発当局(Lesotho Highlands Development Authority)により起訴されています。レソトの事例は、西側企業が発展途上国の国内法の下で贈賄行為により起訴された珍しい例です。OECDの贈賄防止条約をしっかりと国内法に組み込んだOECD諸国では、海外での贈賄行為はますますリスクが高いものになっています。しかし、TIの2002年贈賄指数(Bribe Payers Index 2002)は、OECD贈賄防止条約に対する認識レベルが嘆かわしいほど低いことを示しています。

北米

2002年3月、米国連邦議会はここ25年以上の間で初めての大規模な選挙制度資金改革を実施しました。マケイン(訳注:共和党)、ファインゴールド(訳注:民主党)両上院議員が提案した選挙資金改革法(McCain-Feingold law)は、政党へのソフト・マネーの献金を禁止し、(訳注;直接候補者の応援をしない)外部のグループによる特定候補者を支援するための広告を制限しています。1989年以来、巨大エネルギー企業エンロン社は総計595万ドル(約7億1,400万円)にのぼるソフト・マネー(その内74%が共和党に流れた)を献金し、ブッシュ政権の政策立案者と密接な関係を築いていました。

カナダでは、ジャン・クレティエン(Kean Chretien)首相の自由党政権で、契約の審査に(訳注:知り合いや特定の企業などに対する)えこひいきがあるとの証言が相次ぎました。証言の中味は、アート・エクルトン(Art Eggleton)国防相の元愛人に渡っていた未報告の寄付金37,000カナダドル(約288万円)のような、小さな金額のものがほとんどでした。しかし批評家は、これら小額の金は、自由党に献金をした友人や会社に対して見返りとして閣僚が契約を分配したというパターンも含まれていた、と指摘しています。数年以上にわたって自由党に7万カナダドル(約552万円)を献金していたグループアクション・マーケティング(Groupaction Marketing)に対し、160万カナダドル(約1億3,200万円)の契約を与えた問題は、会計監査局長官(auditor general)とカナダ騎馬警官隊(Royal Canadian Mounted Police)による調査へと発展しました。

汚職・腐敗スキャンダルはまた、米国の地方政治をも揺り動かすことになりました。オハイオ州ヤングスタウン選出のジェームズ・A・トラフィカント(James A Traficant)下院議員は、収賄と恐喝に関する10件の罪状により、2002年4月に有罪の判決を受けました。また、ロード・アイランド州プロヴィデンス市長、ヴィンセント・シァンチJr.(Vincent Cianci Jr.)は7月、恐喝容疑で有罪となっています。それでも地元では人気の衰えない2人は、控訴の手続がつきるまでは再選挙に打って出る意向をもっていました。しかし、7月24日の下院倫理委員会の動議のあと、トラフィカント議員は下院の420対1の投票で議会から追放され、その2週間後から8年の刑に服しています。

個人のパートナーや海外の子会社に頼って会社の負債額を低く押さえ、株価を吊り上げるという財務操作を行っていたエンロンの不正経理の仕組みが明らかにしたのは、企業内からの告発でした。さらに、アデルフィア・コミュニケーションズ(Adelphia Communications)、グローバル・クロッシング(Global Crossing)、ハリバートン(Halliburton)、ワールド・コム(WorldCom)、ゼロックス(Xerox)で不正な経理が発覚し、一方では、タイコ・インターナショナル(Tyco International)とインクローン・システム(ImClone System)の最高経営責任者が、脱税とインサイダー取引で逮捕、起訴されました。信頼を取り戻そうと、連邦議会とホワイト・ハウスは2002年7月、企業不正防止法案(Corporate Fraud Bill)を可決するよう、速やかな対応を取りました。アメリカのビジネス規制に関する意義ある整備と称賛された2002年のサーベンズ・オクスリー法(Sarbanes-Oxley Act)は、企業の不正会計に対して新しい刑罰を設け、最高責任者と経営陣に財務諸表の正確性に直接の責任を負うことを求めています。

カナダ・ジャーナリスト連盟(Canadian Association of Journalists)は、C-36法案のもとで権力を行使して情報公開法をふみにじったとして、連邦法務省に(訳注:皮肉を込めて)第2回の年間「秘密厳守法典(Code of Silence)賞」を授与しました。この賞は、カナダでもっとも秘密主義的な政府機関に与えられるものです。2001年10月15日に提出されたテロリズム防止法案は、一般市民からの政府情報へのアクセスに脅威を与えるものです。もし通過すれば、国際関係や国防、あるいは国家安全保障を保護する名目で、1985年に制定された情報公開法のもとで保障されている権利を法務省が留保することを認めることになります。すでに情報公開法にはこれらの項目に関する適用除外事項がありますが、これらの情報についても、情報コミッショナーと連邦裁判所による第三者の審査の決定に従うことになっています。それを、新しい法律は、法務長官の決定を、第三者機関からの審査から分離することで、情報公開法の趣旨を変えてしまうことを企てているのです。

中米、メキシコ、カリブ海諸国

学者や法律家、ジャーナリスト、NGO代表のあつまりであるGrupo Oaxacaは、メキシコでの情報公開法の制定を迫るため技術委員会の設立に同意しました。そして、2001年10月、グループはメキシコ議会にグループ独自の法案の草案を提案しました。これは、民間のグループが立法府に持ち込んだはじめての草案でした。法の立案は政府の汚職・腐敗防止機関であるSECODAMの手に渡りましたが、SECODAMの草案には例外と逃げ道だらけだという情報がリークされました。責任は政府当局に転嫁され、市民案と政府案は国会議員を巻き込んだ1カ月間に渡る議論となりました。そして、立法府の両院は2002年4月、満場一致で妥協案を可決しました。

トランスペアレンシア・コスタリカ(Transparencia Costa Rica)は2002年2月、大統領選挙中の選挙資金を監視するプログラムを始めました。2001年8月、8人の大統領候補は、選挙運動資金について定期的に詳細な報告を提出することを承諾する、透明性に関する同意書(transparency agreement)に署名するよう求められました。しかし、候補のひとりは同意書へのサインを拒否し、その後、候補者の経費と献金に対する第三者の監視を含む提案された手続きが信頼できないものであることを示そうとしました。監視プログラムは、複数の政党が経費のことを軽んじて、寄付金の全額を明確にしなかったことを明らかにしました。また、主要政党のひとつは、同時期に報告された寄付金額よりも22倍も高い経費を申告したことも明らかにしました。その政党は、数字の訂正と金額の違いについての説明を公けにすることを余儀なくされました。当初、透明性に関する同意書にサインすることを拒んだ候補者も、二期目には協力することにすすんで同意しました。この期間中の広告費用の監視によると、経費は結果としては驚くほど減少したことがわかりました。

パナマでは、公共経営の透明性に関する法律が2001年12月に承認されました。政府の活動に関する情報への自由なアクセスを市民に保障するものです。しかし、法律が制定されてからわずか2、3日後、野党は、2002年補足協定(Complementary Arrangement 2002)の全文コピーの公開を拒否したとして政府を糾弾しました。この協定は、麻薬売買の取締りの合同パトロールについて、アメリカとの間で交わされたものです。2002年1月、ミレヤ・モスコソ(Mireya Moscoso)大統領は情報公開法を正式に承認、署名をしました。この法律には、法の要求に従わない政府職員は罰するという規定が盛り込まれています。

汚職・腐敗防止政策の実施においては、メキシコはまちがいなくこの地域の先頭を切っている国です。昨年の間に可決された法律は銀行の頑強な秘密主義を打ち砕きました。その他の法律は、汚職のネットワークへの連座が疑われた公務員の予防的拘束の執行に関するものです。また、親戚や第三者の名前で登録されている銀行口座や資産を調査するための規定が作られました。さらに、公務員の行政責任に関する新しい法律は、汚職・腐敗を追放するためのメキシコ国内のプログラムを強化し、汚職・腐敗の罰則の上限を高め、より厳しいものにしています。同様に重要なのが新たな連邦法である公的情報公開法と、トラミタネット(Tramitanet:訳注:数千の行政手続を行える電子政府のサイト)とデクララネット(Declaranet:訳注:政治家・政府職員の資産公開のための電子政府サイト)の電子政府システムの導入です。世界銀行は、汚職のコストはメキシコの国内総生産の約9%で、国内の総教育費を上回るだろうと指摘しています。

ホンデュラスでは、ラファエル・カレーヒャス(Rafael Callejas)元大統領が、1,100万ドル(約13億2千万円)を任期中に大統領の秘密の口座に移したという告発が問題になっています。また、ドミニカ共和国のレオネル・フェルナンデス(Leonel Fernandez)元大統領は、1996年8月から2000年8月までの任期中の汚職・腐敗の疑いで取り調べを受けました。彼は特別口座に8,430万ドル(約101億1,600万円)を不正に操作したとの疑いを持たれたのですが、結局、彼に対する告訴はなされませんでした。しかし、元大統領政権時の高官の何人かが法廷に立っています。さらに、2002年4月、ニカラグアのアレマン(Aleman)元大統領と彼の政権の高官たちが、テレビ協定をめぐる不正な横領行為と公費濫用の罪で告訴されました。

南米

ブラジルのホセ・サルネイ(Jose Sarney)元大統領の娘、ロゼアナ・サルネイ(Roseana Sarney)氏は2002年選挙の有力な大統領候補でしたが、連邦警察が彼女の企業のひとつを捜索中に現金130万レアル(4,800万円)を発見しました。これを彼女自身が所有するテレビ局が明らかにしたため、人気は修復不可能なダメージを受けたのです。明らかに政治資金規正に違反しており、彼女の夫とビジネス・パートナーは、その金を選挙運動資金に当てる予定だったことを最終的に認めています。つぎつぎに起こるスキャンダルのため、サルネイは2002年4月の大統領レースから脱落せざるを得なかったのです。

2002年2月に公表された世界銀行の調査では、コロンビア政府の行う契約全体の50%に賄賂が支払われていることが明らかになりました。別の世界銀行の報告書は、コロンビアの汚職・腐敗のコストが年間26億ドル(約3,120億円)に達し、国の負債の60%に相当すると見積もっています。

アルゼンチンはいまだにカルロス・メネム(Carlos Menem)大統領(訳注:1989〜1999年)時代の不正に関するニュースに苦しめられています。彼は2001年に兵器密輸入とマネー・ロンダーリングの罪で6カ月間拘留されたのですが、疑問の多い高等裁判所判決のあと釈放されました。ドミンゴ・カバィロ(Domingo Cavallo)元経済大臣は、6,500トンの武器をエクアドルとクロアチアに売ったというスキャンダルで逮捕されたひとりでした。告発によるとカバーロは、1991年から1995年にかけてクロアチアとエクアドルに対する武器販売が現地で違法と判断され終わってしまったため、今度はパナマとベネズエラに輸出する同意書にサインしていたと言われています。最新の告発は、1994年7月のブエノス・アイレスのユダヤ教会爆破にかかわったことを隠蔽するためにイラン政府が支払った1,000万ドル(約12億円)を、メネム大統領が受け取ったというものです。

ワールド・カップでブラジルが史上初の5回目のタイトルを奪った2002年7月より7カ月前、不正な組織運営と汚職・腐敗の疑いを調べた議会の調査報告が発表されました。1,600ページに及ぶ報告書は、ブラジルサッカー連盟会長のリカルド・テイクセイラ(Ricardo Teixeira)氏のマネー・ロンダーリングと不正行為、全般的な不当運営を非難したものでした。FIFA実行委員会のメンバーでもあるテイクセイラは、サッカー連盟の犯罪的運営の罪で起訴されるべきであると報告書は勧告しています。実行責任者としてのテイクセイラ氏の管理下で、1995年から2000年の間にサッカー連盟は1,000万ドル(約12億円)以上もの負債を抱えていました。中には、ニューヨークでの1日2,000ドル(24万円)のリムジン・レンタル料といったような認められない費用もあるのです。

アルゼンチン議会を7カ月間監視したのち、ポーダー・シウダダーノ(Poder Ciudadano)氏が出したレポートは、上院を「捕われの制度」と表現し、透明性に関する上院規則の多くが実施されていないことを明らかにしています。ポーダー・シウダダーノ氏はまた「目に見える候補者」プロジェクトを実施し、議会選挙候補者に関する情報と選挙運動資金のを提供しています。

太平洋地域

ロシアの組織的犯罪グループが、合計30億ドル(約3,600億円)もの資金を、ニューヨーク銀行を通して洗浄するために、(訳注;タックス・ヘブンと言われる)島の1つであるナウル共和国に登録された海外投資銀行のサイネックス(Shinex)銀行を利用していた証拠が次々を明らかになりました。ロシア中央銀行によると、700億ドル(約8兆4千億円)以上の資金が、同じようにナウルにある400もの海外投資銀行を経由して流出したということです。これらの400の海外投資銀行はすべて、ナウルの国営企業の所有する1つの郵便箱に登録されています。2001年のロシアの輸出による収益総額が740億ドル(約8兆8千億円)であったこと比較すると、この詐欺の極悪さが強調されます。経済協力開発機構(OECD)のマネー・ロンダリング問題を扱う金融活動作業部(FATF)は、2001年12月にこの独立国に対して何らかの措置を取ることを決め、この(訳注;タックス・ヘブンとなっている)島国が、海外投資銀行を規制する法的な措置を講じない限り、制裁を余儀なくさせられることを記した最後通牒を発しました。OECDのFATFがこのような措置に踏み切ったのは、12年前に発足して以来初めてのことです。

2001年12月、西オーストラリアに警察の汚職・腐敗の取り締まりのための王任委員会(Royal Commission)が設置されました。2002年3月に18ヶ月間の調査がはじまり、特赦とすることを条件に、2002年5月18日までに不正や犯罪的な警察活動を知る現職・元職の警察官に、すべてを語った告白書を作成し証拠を用意するよう呼びかけました。この警察の汚職・腐敗の問題は、2003年の州選挙の争点となるでしょう。警察の汚職・腐敗が非常に広範に見られる原因として、反倫理的行為を助長する固有の「警察慣習」があると、専門家たちは指摘しています。ウッド王任委員会を指揮するジェームス・ウッド判事によると、警察では同僚への忠誠は業務への忠誠より重要であると初めに教育されているといいます。

2002年6月の選挙前の数週間、パプア・ニュー・ギニア(PGN)では、有権者に候補者を批判し票を売らないよう呼びかける全面広告が掲載されました。この運動は特に、国民年金基金(National Provident Fund)での贈賄、略取、不正流用といった、汚職・腐敗に関する数々のスキャンダルの波に呼応して始まりました。メディア評議会(The Media Council)は、とりわけ預金機関の元理事長が職員の年金基金から270万キナ(約9,000万円)を不正に流用したことを継続して取材していました。この件の捜査は2年以上も前に開始されたにもかかわらず、このスキャンダルに関係した者が誰も浮上しないことから、評議会は警察と検察庁に対し、迅速に事務処理をするよう求めています。また、総督と国会議員は、徹底的に汚職・腐敗事件に取り組む独立した検察官を任命する新しい法律を要求するメディアのキャンペーンを歓迎していました。TI‐PGNはオンブズマン委員会と共に、メディア評議会に一般市民が汚職・腐敗ではないかと疑われる行為を直接通報するためのホットラインを運営しています。

東アジア

2001年4月、日本では情報公開法が施行されたことにより、市民には行政機関の公文書を入手する権利、また、行政が情報公開を拒否した場合、そのことを情報公開公聴会に訴える権利が与えられました。これらの規定により汚職・腐敗事件の数々を市民団体が摘発することが可能になりました。一例として朝日新聞が郵政省に渡し切り金の記録を請求したことが上げられます。渡し切り金の予算は通常大まかに振り当てられるため厳密な会計に報告が必要ありません。2001年12月に渡し切り金の詳細が公開されたときにいくつもの問題が浮上しました。ある郵便局の記録が実在しない会社に送り状を送付していたことが証明されました。その他に、九州の郵便局では70年間以上に渡って宣伝用品を実質上局長会の出資する団体から購入していたことが明らかになりました。この会社は年間約900万ドル(約10億8千万円)もの売り上げがあったと推定されます。これらの情報が公開され、郵政省内部の検査官が調査を行ないました。その結果、何人かの郵便局長および職員の処分が行われ、また、渡し切り金制度は廃止されました。

TIの贈賄指数(BPI)が2002年5月に発表され、発展途上国で台湾の企業が最もよくの賄賂を使っていることが明らかになりました。司法院は、外国公務員に対する贈賄を禁止する意向を示し、2002年7月には法案が起草されました。

2002年1月、韓国の検事総長が兄弟が収賄容疑で逮捕されたことを受けて辞任しました。数時間後、キム・デジュン大統領は、彼の政権内での汚職・腐敗に対し公に謝罪し、このような汚職・腐敗の根絶を残りの任期の優先課題の一つとすることを誓いました。しかし、2002年5月と6月に大統領の2人の息子が収賄の容疑で逮捕されました。キム大統領は2002年6月に離党し、再び彼の政権でこのようなスキャンダルがあったことを謝罪しました。2002年6月、検察官は大統領の息子のキム・ホンオップを820万ドル(約9,840万円)を建設会社から受け取ったことなどいくつかの収賄容疑で告訴し、その後彼には3年半の実刑判決が下りました。

中国で万里の長城以来の最大の建設計画であるとされている三峡ダムは、2009年に完成する予定です。このダム建設の総予算は240億ドル(約2兆8800万円)という巨額なもので、このプロジェクトに関連して仕事をする幹部たちが個人的な利益を得る余地は十分にあります。北京は、再決済をするために、2000年に配分された予算、21億ドル(約2,520億円)のうち約5800万ドル(約69億5千万円)が、すでに不正に流用されたことを認めました。現段階で少なくとも100人の役人が、横領のため中国共産党から懲戒処分を受けました。役人たちはこの数十億ドルに上る契約を自分の利益のために少しでも多く利用しようと考えているようです。罪の範囲は、収賄、移住実費の水増し、再移住者の虚偽申告、中央政府から配分された予算からかすめとる、というものです。すでに、地元の役人が、移住を余儀なくされた住人に政府規定の額をかなり下回る額しか支払わなかったと告訴されています。

中国政府は汚職・腐敗防止のためにメディアを利用しています。汚職・腐敗防止を訴えるためのテレビ・ドラマ「ブラック・ホール」は、2001年12月に初めて放送され、北京ではトップの視聴率を収めました。2002年3月、新しいテレビ番組「中国最重要指名手配犯;汚職・腐敗を行った役人たち」(China’s Most Wanted; Corrupt Officials)が、60もの地方局で放映されました。この国の汚職・腐敗防止活動の中核である最高人民検察院(Supreme People’s Procurate)が製作を手がけるこの15分ドキュメンタリー・ドラマは毎日放映され、逃走中の役人や汚職・腐敗の疑惑がある公務員の名前をあげ、彼らの面目をつぶしています。しかし、中国メディアは、特にそのスキャンダルに政府高官が関っている場合には独自に汚職・腐敗の調査をすることを許されていません。ジャーナリストであるジャン・ヴェイピン(Jiang Weiping)は、政府高官の関わるいくつかの汚職・腐敗スキャンダルを暴露したため、2001年9月、国家機密を漏洩したことを理由に告訴され、秘密裁判で9年間の実刑判決を受けました。

韓国は、2002年1月に腐敗防止法を施行しました。この法により、汚職・腐敗行為にかかわった公務員に対し、最長で10年の刑、最高5,000万ウォン(約500万円)の罰金、5年間の公職および民間企業の就業を禁止するといった重い罰則が設けられました。また、腐敗防止委員会も設け、政府高官の関与する事件を調査する特別な権限が与えられました。2002年4月、韓国政府は汚職・腐敗に立ち向かうため、今後はNGOとより緊密に協力していくことを発表しました。また、政府調達機関は、オンブズマン制度や「清潔な調達委員会」(Clean Procurement Committee)を導入し、政府とその契約者たちのつながりを断ち切る努力を行うことを発表しました。この新しい機関では、市民団体のメンバー、大学教授、技術者をオンブズマンとして任命することになっており、透明性の向上のために、入札や契約の選定プロセスの監視を行うことになります。

南東アジア

2002年3月、インドネシアのメガワティ・スカルノプトリ(Megawati Sukarnoputri)大統領は、国会議員であるアクバー・タンユン(Akbar Tanjung)の汚職・腐敗に対し逮捕および裁判を許諾しました。スハルト前大統領の息子トミー・スハルトも、汚職・腐敗の罪で告発された彼を有罪とした裁判官を殺害したとして、有罪になりました。さらに3月には、ジャカルタ裁判所が中央銀行のシャリル・サビリン(Syahril Sabirin)総裁を汚職・腐敗の罪で有罪とし、彼には3年の実刑判決が下りました。

タイでは、国家腐敗防止委員会(National Counter-Corruptoin Commission; NCCC)がタクシン・シナワトラ(Thaksin Shinawatra)首相を資産の不正隠匿で告発したことは、政府に衝撃を与えました。しかし、憲法裁判所は理由を明らかにせずにNCCCによる有罪の評決を覆しました。首相の無罪放免は多くの傍聴人を落胆させましたが、設立されて間もないNCCCが政治的圧力の中、独立性を実地に示したことは称賛されました。

比較的成功を収めていたシンガポールや香港の汚職・腐敗防止機関も、やはり問題に直面しました。いくつかの汚職・腐敗防止機関は、それ自体が汚職・腐敗の舞台となっているとみられています。2002年2月、フィリピンのオンブズマンは、汚職・腐敗により前代未聞の弾劾の申立てを受けました。この申立ては認められませんでしたが、この事件は、こうした機関の信頼性と汚職・腐敗を抑制する能力に対する疑問を呼び起こしました。

2001年の最終四半期に行われたソーシャル・ウェザー・ステーションの調査によると、フィリピンの実業家たちは、汚職・腐敗防止のプログラムのための資金として、事業の純利益の2%を拠出するつもりであることがわかりました。なぜなら、彼らはもし汚職・腐敗を阻止できれば、純利益は5%増加し、契約時に10%節約できると見積もったからです。

南アジア

インドのジョージ・フェルナンデス(George Fernandes)国防相は、武器売買に対して賄賂を要求する高官の写真を「Tehelka.com」に密かに撮影されたため、2001年3月に辞職に追い込まれましたが、2001年12月に「棺疑獄(コフィン・ゲート)」事件が大見出しで報じられると、さらなる騒動の渦中の人となりました。国防省高官が関与した詐欺行為は、1999年にカーギル紛争のインド人戦死者のための棺を購入する際、実際には1つ172ドル(約2万円)の棺に2,500ドル(約30万円)の支払いを認めたというものでした。「Tehelka.com」のによる報道をきっかけに、Venkataswamy委員会が国防省のリベートの調査に取りかかり、4ヵ月以内に報告する予定でしたが、それは達成されませんでした。その一方で、「Tehelka.com」の財政援助者は、特に株式取引の価格を不正に操作するという謀議によって彼らを締め付ける嫌がらせに遭いました。

バングラデシュでは、バングラデシュ民族主義者党(BNP)が率いる新政権が、前政権によるの自身の犯罪の告発に対して何ら対応しませんでした。2002年1月に発行された白書では、アワミ連盟の代わりにBNPが政権についていた間の、重大な汚職・腐敗疑惑を40件も取り上げ、1億2,600ドル(約151億2千万円)の横領をしたと非難をしています。白書によれば、セイコ・ハシナ(Seikh Hasina)元首相が、ロシアの戦闘機ミグ29型機8機の購入に際し、1億2300万ドル(約147億2千万円)を横領し、輸出振興のために外国人コンサルタントを雇用すると偽って300万ドル(約3億6千万円)を横領したといいます。BNPは、バングラデシュの政界では良くあることであり、今までに汚職・腐敗で首尾よく起訴された現職の政治家はいないと主張しました。そして、BNPの政治家に対する告訴は突然に取り下げられました。この汚職・腐敗に関する調査白書には、アワミ連盟が政権についていた時代に係わった不法行為が明らかに除外されています。

腐敗し信用できないものとして文民行政官を決め付けることに熱心な軍部エリートが支配する国、パキスタンでは、政治的な利益が汚職・腐敗防止の推進力でした。しかしながら、ペルベズ・ムシャラフ大統領の政権に協力するつもりのある旧軍人や官僚や実業家はいとも簡単に罪を免れており、彼らが不正手段で得た利益を返済できるほど裕福ならなおさらでした。マンスール・ウルハク(Mansur ul-Haq)提督は、武器購入のリベートとして得た750万ドル(約9億円)をNational Accountability Bureau(NGA:訳注;政官財の汚職・腐敗を根絶するために設けられた機関)に返済することで投獄を免れました。

インド南部のバンガロール市では、NGOの広報センター(Public Affairs Centre)が都市貧困層を対象とする母性健康サービスの質を独自に調査し、貧困層が公立の産婦人科医院にかかるために多額の金を支払っていることを明らかにしました。市営の産科病棟にいる平均的な患者は、適切な医療ケアを受けるために1,089ルピー(2,640円)の賄賂を払っていました。政府の政策が無料診療を明確に命じているにもかかわらず、回答者の61%が医師から支払いを要求されていました。

パキスタンのムシャラフ大統領は、汚職・腐敗に立ち向かう決意を明らかにし、数々の重要な制度改革に着手しました。その中には、行政改革、「司法へのアクセス」プログラム、会計監査官の任務から会計機能を分離することなどが含まれています。政府はまた、2002年10月までに独立した汚職・腐敗防止機関を設立し、現在はNAB、連邦捜査機関、汚職・腐敗防止組織が行っている仕事を統合すると約束しました。TIは、2002年4月にパキスタン政府と一連の会合を行い、情報公開法、公務員行動規範、公的買上げシステムの整備を求め、軍部と司法にNBAの権限が及ぶようにすることを求めました。

ネパールもまた2002年に多数の汚職・腐敗防止法を提案しました。そのなかには汚職・腐敗抑制法案、職権濫用調査委員会法案、特別裁判所法案、告発・規制手続法案、政党運営法案が含まれていました。再調査中の最近の重大な汚職・腐敗事例としては、不正経理、違法な資金供与、銀行詐欺、売上税や資産税、所得税の組織的脱税があります。

スリランカでは、チャンドリカ・クラマトゥンガ(Chandrika Kumaratunga)大統領の親しい友人である実業家ロニー・ペイリズ(Ronnie Peris)氏が、国営セイロン銀行のロンドン支店から50万ポンド(約9,360万円)の貸付金を得ながら利息の1500万ルピー(約1,800万円)を支払っていなかったことが判明した2001年11月以降、実業家と政治家のネットワークが特に注目されるようになりました。

独立国家共同体

カザフスタンの独立週刊紙『Nachnem s Ponedelnika』は、政府職員と石油取引業者やその他の業者との癒着に関する綿密な報道で知られています。1998年から2001年までにこの週刊紙は、主に政府と密接な関係にある企業の重役や公務員によって名誉毀損で17回も訴えられています。そのうち3つの訴訟で名誉毀損で有罪となり、合計25,935,000テンゲ(約2,160万円)の罰金が課されました。カザフスタンの名誉毀損に関する法律は、真実が被告側にあることを認めず、原告側の贈収賄への関与について可能な範囲での証拠調べもせずに、この週刊紙に公務員の信用を害したとして罰金を科しました。

グルジアでは、2001年7月に大統領令による汚職・腐敗防止審議会(anti-corruption council)の設置を含め、数多くの汚職・腐敗防止措置が承認されていますが、今までのところこれらの措置は実効性を伴っていません。IMFが最近の報告書で「弱体な行政と広範囲に及ぶ汚職・腐敗」を指摘すると、グルジアは付加価値税(VAT)詐取部門を設け、付加価値税の払い戻しシステムを強化する法案を通過させました。エドワルド・シェワルナゼ大統領は、汚職・腐敗防止審議会と協力して行政改革を推し進めています。第一段階は国会議員の起訴免除の廃止を含んでいます。2002年3月に大統領は、汚職・腐敗、脱税、国家財産横領を防止するためのより厳しい法律の制定を命じました。

2001年夏にトルクメニスタンのサパルムラ・ニヤゾフ(Saparmurat Niyazov)大統領は、汚職・腐敗の嫌疑で注目される多くの検挙と免職を行いました。とはいえ、伝えられるところによると、トルクメニスタンの政治を象徴したのが、汚職・腐敗に関与した公務員が野党支持にまわったときにだけ告発されたという点です。前中央銀行総裁で副首相のKhudaiberdy Orazovは、1997年のクレディ・スイスとドイツ銀行の農業貸付金1億2千万ドル(約144億円)の一部を横領したことで2002年3月に告発されましたが、これは彼が正式に野党に加わった1ヵ月後のことでした。

2001年10月にウクライナは「市民権、民主的社会の原則、2002年選挙のプロセスの公開と透明性の確実な実行に関する」法律を制定しました。しかし同時に2002年3月の選挙に関する国内および外国の報道機関によるニュースの取材範囲を制限する法律も制定されたました。その結果、有権者は野党を批判する主要テレビ局の偏った報道のために、公平でバランスの取れた情報を得ることができませんでした。

シンクタンクINDEM(民主主義のための情報)の調査によれば、ロシアの実業家は年間300億ドル(約3兆6千億円)以上の賄賂を払っています。これはほぼ2002年度連邦予算の歳入に匹敵し、国内総生産のおよそ12%にあたる金額です。賄賂のおよそ90%が、輸出許可や輸出割当て、国家予算を使った取引、税金の書き換え、関税、民営化計画、連邦予算への債務返済などに関連した「腐敗した官公庁業務」に対して払われています。

モスクワの仲介会社トロイカ・ダイアログ(Troika Dialog)社は、ロシアでは最高経営責任者が少数株主の権利を常に侵害しているという評判が、株式市場の価値を年間4およそ50億ドル(約5兆4千億円)も下げていると見積っています。プライスウォーターハウスクーパーズ(PricewaterhouseCoopers)によれば、企業統治(corporate governance)の慣行をいくらか改善すれば、FDIに年間に追加で100億ドル(約1兆2千億円)を呼び込むことができたと言います。

ウズベキスタン南部のジャーナリスト、Majid Abduraimovは、スルハンダリヤ(Surkhandarya)地方のBoisun市における政府高官の間の汚職・腐敗と職権濫用についての一連の記事を書いた後に、収賄と恐喝の罪で数年間の禁固刑に処せられました。人権活動家は現在5人の記者がでっちあげの罪で獄中にいると訴えています。キルギス人ジャーナリストで人権活動家のSamagan Orozalievは、ゆすり、文書偽造、武器の不法所持、警官への職務執行妨害で有罪とされ、2001年11月に9年間の禁固刑に処せられました。Orozalievは公務員の汚職・腐敗に関するドキュメンタリーを制作中に逮捕されました。

中欧、東欧、バルト三国

2001年にハンガリーは、公務員全員に対して資産報告を命じました。2001年6月と2002年3月にスロバキアとチェコ共和国は相次いで公務員に資産公開を義務付けるとともに、行動規範の導入を目的とした公務員法を制定しました。ハンガリー議会は2001年12月に企業の犯罪責任に関する法律を可決しました。刑法は、汚職・腐敗に立ち向かうための有効な手段となるよう改善され、汚職・腐敗活動に対する罰則をより厳しいものとするために改正され、検察官の捜査権限は強化されました。チェコ共和国とスロバキアは、職権の独立した政府内監査部門に関する新しい法を2001年8月と10月に可決しました。

リトアニアの石油会社、マゼイキウ社(Mazeikiu)の民営化を巡って争ったアメリカのエネルギー会社ウィリアムズ・インターナショナルとロシアのユコス社(Yucos)、ルコイル社(LUKOIL)に対して汚職・腐敗の告発がなされました。その直前、ビハニウス市長は、フランスの電力会社ダルキア(Dalkia)をだまし、補償金を要求したかどで議員を告発しました。

2002年2月にはポーランドのロドゥズ(Lodz)救急隊の従業員たちが患者の死亡情報の提供と引き換えに葬儀屋から謝礼を受け取っていたのみならず、謝礼欲しさに患者を殺すことさえしていたことが明るみにでました。この告発は氷山の一角に過ぎず、医師や葬儀社のオーナーたちも贈収賄により告発されました。

2001年から2002年にかけて、スロバキアの多くNGOが「利益相反を断ち切ろう」(Stop Conflict of Interest)という連盟を発足し、利害対立を防止に関する現行の非効果的な法律の修正を求めました。連盟は、法令を遵守する公務員の数を増やし、義務の内容についてより明確に規定、公務員の副業契約と副収入を制限し、公務員の親族に関しても資産報告の公開を義務付け、利益相反に有効な訴訟手続きと罰則の改善を求めています。

政府とNGOのユニークな連携関係の例としてラトヴィアの場合があげられます。ラトヴィアのデルナにあるTI支部は、重要な民営化入札の際に、そのプロセスを監視するよう依頼されました。ラトヴィアの船会社の入札が失敗した例はありますが、NGOと民営化機関との協力関係は、意思決定過程における顔利きを防止する先例となっています。

ヨーロッパ南東部

ユーゴスラビア連邦共和国政府は、ミロセヴィッチ時代に特別な恩恵を受けていた企業に対して課税をしました。権利濫用の調査を担当する委員会は、不当な利益を得ているもののリスト(2002年2月現在、271名)を定期的に公表し、納税の状況を確認しています。2001年9月にユーゴスラヴィア連邦共和国は、マネーロンダリングを犯罪行為として規定した法律を制定し、2002年7月から銀行および金融機関に対し、60万ディナール(約114万円)を超える取引についてはすべて報告をするよう求めています。セルビアもまた、26の汚職・腐敗防止活動部門を設置し、ホットラインを通じて情報収集を行っています。その結果、内務省と税関がセルビアで最も腐敗した機関であることが明らかとなりました。

トルコでは、選挙運動資金規正と政治献金の公開が新政府の行動綱領の一環としてあげられています。IMF(国際通貨基金)はこのために2002年2月の1630億米ドルの借款から資金提供することに同意しました。これらの資金は、貸借契約の前提条件であった新たな公共調達法の下で、2003年1月から行われる改革に充てられることになっています。世界銀行の2001年報告によると、トルコの公共調達の請負人たちは、伝統的に選挙運動献金と称して政府との契約金の最高で15%の支払いを要求されてきました。

アルバニアにおいては、それぞれの汚職・腐敗防止部局が公序(public order)、財務、司法各省と検察庁に設けられました。2002年6月、政府は腐敗防止法案を起草しました。この法案は、およそ5000人におよぶ上級および中級公務員の資産状況を調査する特別監視機関を創設するものです。そして、議会によって選出される監視機関のメンバーは、広汎な管轄権と銀行や民間企業からデーターを入手する権限を付与さることになります。また、自らの資産状況について虚偽の申告を行った公務員は起訴の対象とされます。

2002年2月、ボスニア・ヘルツェゴヴィナでは汚職・腐敗や組織犯罪と立ち向かうためのワーキンググループが設置され、各大臣やインターポールの代表者、司法機関、警察により構成されています。その1ヵ月後、世界銀行とボスニア和平履行評議会の上級代表事務所は汚職・腐敗防止活動計画を提案しました。しかしながら、同時期に、セルビア系ボスニア人の財務大臣が、1500万ドル(約18億円)の経費を搾取するという関税詐欺事件により辞職するという大きなスキャンダルが噴出しました。

アルバニアでは政府が誹毀文書を犯罪行為から除外することに失敗、その結果汚職・腐敗を追及しているジャーナシリストたちは恣意的な逮捕、執拗なバッシングや脅迫などで安全面でのリスクを抱えることとなり、また名誉毀損では公平な裁判が望めなくなりました。2001年11月にはティラナの独立系日刊紙「コハ・ジョーン」(Koha Jone)が、デュレス(Durres)ホテルが違法に建設されたことを報じた直後、その発行人が急襲され脅迫を受けました。現行の情報公開法がほとんど機能していないため、ジャーナリストたちは公的文書を入手するために定期的に公務員に賄賂を贈らざるをえなくなっています。

プライスウォータークーパーズの報告によると、汚職・腐敗がルーマニアに与える損失は年間数十億ドルにものぼるとされています。また報告書は、2001年度の13億ドル(約1560億円)の外国からの直接投資は、ルーマニアが手にするはずだった金額の3分の1に過ぎないと指摘しました。

中近東および北アフリカ

2001から2002年にかけて、この地域の国立銀行および金融機関は繰り返し汚職・腐敗の餌食となりました。2002年2月にはヨルダンの銀行システムで15億〜16億8千万ドル(1800億〜2016億円)の詐欺が見つかりました。伝えられたところによると、この事件には高名な実業家72人や、先の農業大臣、上院議員、元首相の息子などの政府高官が関与していたといいます。国の諜報機関に対して情報技術を提供するという口実の下、公務員と共謀して実業家たちは銀行から担保なしで貸付を受けたと言われています。

レバノン最大の英字紙『デイリー・スター』の記事によると、運転免許証の更新には7ドル(約840円)、車の登録には27ドル(約3240円)、そしてパスポート更新には約70ドル(約8400円)の賄賂が要求されるといいます。住宅の建築許可を得るための礼金(baksheesh)は2000ドル(約24万円)以上もかかります。レバノンのトランスペアレンシー協会は、建設許可を得るために必要な手続きを平易に解説し、必要な書類、費用、時間をまとめたブックレットを発行しています。

イスラエルでは、警察の詐欺行為取締チームがアリエル・シャロン首相とその息子、オムリ(Omri)を、1300万ドル(約15億6千万円)の違法献金を、1999年のリクード党首選とその2年後の首相選挙で使うために、幽霊会社を利用して送金した嫌疑をかけました。2002年5月にはエハド・バラク元首相が同様の罪状で告発を受けました。警察は1999年の選挙の際、バラクの側近4人が不法な資金を偽の慈善事業に流用したと主張しましたがバラクは潔白との結果がでました。

トランペアレンシー・モロッコがモロッコの実業家たちに調査をした結果、モロッコで実業家が直面する問題は第一に高い税金、第二に汚職・腐敗であることが明らかになりました。世界銀行がパレスチナで行った企業家に対する世論調査によると、汚職・腐敗は政治的不安定さに次いで同地域の成長を妨げる束縛要因となっています。

サウジ・アラビアでは、2002年3月にライターのアブドゥル・モセン・ムサラム(Abdul Mohsen Musalam)氏が、2001年3月10日に『アル・マディナ(Al-Madina)』紙に掲載された詩のために投獄されました。ムサラムの詩「地球上の汚職・腐敗」は、何人かの汚職裁判官を告発する内容でした。サウジの内務大臣であるナイェフ(Nayef)王子は、詩の掲載を許可した『アル・マディナ』の編集長の解雇を命じました。

西アフリカ

セネガルの市民団体は、アブドゥライェ・ワデ(Abdoulaye Wade)大統領がフォーラム・シビル(TIセネガル支部)の度重なる要求と、大統領の所属政党が野党時に批判していたにもかかわらず、法律97-632号の廃止を拒んだことを批判しています。1997年制定の法律は、公共事業契約を入札なしに締結することを許容しています。これら公共事業には、最大1億CFAフラン(約1800万円)相当の顧問料および設備費と1億5千万CFAフラン(約2700万円)相当の工事費が含まれていると見られます。この法律は後援者を増やすための手段として一般に認識されています。また、メディアは高額の公共調達契約ほど入札に付されないという傾向があると指摘しました。2002年7月には1997年法律を覆すと思われた新しい公共調達法が成立しましたが、その施行について正式な発表はありませんでした。

2002年6月、シエラレオネの汚職・腐敗防止委員会副委員長は、司法長官が勧告に従って行動を起こさず、汚職・腐敗防止委員会を無視していると非難しました。2001年1月に委員会が設置されて以来司法省に提出された57のケースのうち、4分の3がいまだ処理されていませんでした。最も目立ったのはモモ・プジェ(Momoh Pujeh)元運輸・通信大臣に対するもので、委員会の調査にしたがって2001年11月に不法採鉱と紛争ダイヤモンドを所持していた罪で逮捕されましたが、プジェの汚職・腐敗行為に対する告訴は2002年8月まで提起されませんでした。

ナイジェリアの連邦汚職・腐敗防止委員会は2000年9月に設立されて以来、政府高官に対する告発を1件も行っていないことで批判を浴びました。委員会の活動を阻害する主な要因は、2002年6月に、同委員会を違憲としたいくつかの州による異議申し立てを最高裁判所が却下したことで取り除かれました。中央政府は汚職・腐敗防止活動を促進するための手立てを年間を通していくつも打ち出しました。2001年8月には連邦行政評議会は公務員規則を改正し、汚職に関わった公務員を免職する権限を大統領に与えました。その翌月、評議会はすべての連邦政府機関に汚職・腐敗防止部門を設置することを承認しました。そしてこの部門には、事件を調査しすべての政府文書を閲覧する権限が与えられました。2003年には汚職・腐敗防止委員会が各部門の蓄積を引き継ぐ予定です。

オルセガン・オバサンジョ(Olusegun Obasanjo)政権は発足以来、ナイジェリアのかつての独裁者、サニ・アバチャ(Sani Abacha)の親族と損害賠償について合意するための交渉を試みました。2002年4月、政府はアバチャの家族が1億ドル(約120億円)を手元に残すのを認めること、アバチャの息子とかつての側近に対する窃盗およびマネーロンダリングの告訴を取り下げることを条件に、国庫に12億ドル(約1440億円)を返還させる取引きに応じました。

ガーナでは会計監査副長官が2002年3月に、過去2年間におよそ2000名の架空雇用者に対して2000万ドル(約24億円)以上が支払われたことを明らかにしました。これを受け、財務大臣は公務員の数を再調査するように命じました。

 ブルキナファソでは、腐敗・汚職に関する調査により、国内で最も腐敗した組織は警察であることがわかりました。また、この調査はセネガルでもシビル・フォーラムにより実施され、交通警察、税関職員と警察が最も腐敗した組織であることがわかりました。

ベニンの税関職員のほとんど全員が少なくとも自分のために働く1人のクレベ(Klebe)を抱えています。クレベはベニン南部の詐欺師の隠語で「紙幣剥ぎ取り人」(banknote rippers)を意味し、税関職員の「不正操作」を手伝い、押収品の10%を手数料として受け取っています。彼らはまた、商品を通関させたいすべての人に対し違法な手数料を強要しており、その中から税関職員が分け前を受け取っています。ナイジェリアとの国境であるクラッケ(Krake)には正式な税関職員数の4倍にのぼるおよそ400人のクレベがいます。仲介者としてのクレベは、匿名を希望する賄賂の提供者と受け取り手の間の目隠しとして機能します。コトノウ(Cotonou)港のいくつかの検問所においてクレベが税関役人に取って代わっています。

中央アフリカ

赤道直下のギニアでは、政府の貧困撲滅政策にのっとって汚職・腐敗と立ち向かい統治(governance)を強化するための政策を実行することが必要とされています。チャドでは世界銀行が昨年、アフリカにおいてアメリカの最大規模の投資プロジェクトである「ドバ・オイル・バサン(Doba Oil Basin)プロジェクト」での汚職・腐敗防止のための努力を続けています。チャド・カメルーン間にパイプラインを建設する37億ドル(約4440億円)のプロジェクトは、世界銀行とエクソンモビル率いる国際石油会社共同企業体が資金提供をしていますが、このプロジェクトに対しては、ワシントンに本部を置く環境保護基金(Environment Defense Fund)のような環境保護団体が厳しく批判しています。周辺同盟諸国や外国投資家たちは、独裁的な支配者のイドリス・デビ(Idriss Deby)大統領が、2003年に始動した場合には一日平均25万バレルを生み出すこのプロジェクトの歳入を自分の統制下におくのではないかという不安を募らせています。発展途上地域の公開政策を根本的に発展させるために、世界銀行はチャドの年次石油財務会計を監査、公表しています。

昨年はカメルーンの木材業界における汚職・腐敗の内部告発が相次ぎました。世界銀行とイギリス国際開発省(DflD)は、イギリスおよび他の国際企業が8万ヘクタール(20万エーカー)におよぶ伐採を無許可で行ったことを確認しました。2001年末から2002年初頭にかけて政府が指名したオブザーバーたちによって行われた調査によって、カメルーンの主だった木材会社はすべて多かれ少なかれ法を犯していることが判明しました。2002年4月、世界銀行はポール・ビヤ(Paul Biya)大統領に対し、法に違反した木材会社を告訴し、この業界の汚職・腐敗と闘うか、または公的援助を失う危険性を冒すかの選択を迫りました。国際木材企業の取り締まりに関しては、世界銀行とDflDの両者がともにカメルーンを支援しています。

東アフリカ

KPMGは2002年6月に400名以上のCEOと最高財務責任者を対象とした調査結果を発表し、東アフリカ地域の実業界では詐欺行為と汚職・腐敗が増加していることを強く示唆しました。回答者の61%が詐欺行為を主たる問題とみなしており、88%の回答者が自分の会社が昨年、詐欺行為によって損害を蒙ったと回答しました。国内における取締りが弱いことが主たる原因と見られていますが、回答者たちはまた、犯罪の巧妙化と司法制度の無能さについても指摘しました。

TIケニア支部が実施した調査により算出されたケニア都市部賄賂指数によると、ケニアの平均的な都市生活者は1ヵ月に16回の賄賂を支払っていることが明らかになりました。賄賂総額は1ヵ月に8,185 KSh(12,480円)となり、1ヶ月の平均収入が26,000 KSh(39,720円)しかない回答者たちにとっては大きな負担となっています。公務員が最も多くの賄賂を受け取っており、賄賂総額の99%を手にしています。警察が最悪の常習犯で、都市生活者の10人のうち6人が警察に対して賄賂を支払っていることが報告されました。

エチオピアおN連邦倫理腐敗防止委員会(the Federal Ethics and Anti-corruption Commission:FEACC)は、手がけた最初の主要事件の一つとして、エチオピア商業銀行の41名の元職員および現職員を汚職により告発しました。12名の元政府機関の長と実業家たちが2001年5月に逮捕され告訴されました。告訴された者の中には、与党の非主流派のリーダーも含まれていました。

2002年1月、タンザニアで新しい発電所が発注されましたが、これを建設したマレーシアの会社が政府職員に対して賄賂を贈ったという主張が再び持ち上がりました。4千万ドル(約48億円)の航空管制システムを巡って政府とブリティッシュ・エアロスペースの間で締結された契約は物議をかもし、世界銀行の航空専門家たちの批判を浴びました。

ウガンダでは市民団体が先頭に立って入札のより一層の透明性確保のために方策を講じるように政府に圧力をかけました。2001年の間に、市民団体は世界銀行に対して調査団を派遣を要請し、何よりも5億5千ドル(約660億円)のブジャガリ・ダム(Bujagali dam)建設のために政府とアメリカの多国籍企業AESと間に締結された電力購入契約(the Power Purchase Agreement:PPA)における汚職・腐敗がなかったかの調査を求めました。これを受けて世界銀行は調査団を派遣し、調査団はその報告書において、PPAを極秘事項に指定した世界銀行の決定を含め多くの点でプロジェクトを批判しました。2002年6月に、世界銀行は汚職・腐敗行為の申し立てがあったダムに対する借款を一時停止することを発表しました。

南アフリカ

ジンバブエでは汚職・腐敗が蔓延しています。最近の国連経済報告は、「ジンバブエの各セクターにおける諸問題はただ一つの問題、統治(governance)の危機に収束しうる」と述べました。2002年に行われたジンバブエ大統領選挙は、政府が野党の基盤である都市部の投票所の数を減らしたり、有権者たちに投票するために30時間も列に並ぶことを強いたということから、不正があったとみなされました。田舎では、登録締め切り後に40万人分の名前が登録されたと伝えられています。

マラウィ・テレコミュニケーションズ(MTL)の経営権が入札の結果、情報大臣と官房長官の妻でもあるMTL会長を含むグループに落札されました。腐敗防止局は入札過程における不正の疑いで4名のMTL役員を逮捕しましたが、彼らは給与を一次差し止められたにもかかわらず、一端保釈を許可された途端に元の仕事に復帰しました。

この地域で最も重要な汚職・腐敗裁判が2002年6月に結審しました。レソト高原開発局(Lesotho Highlands Development Authority:LHDA)の元CEO、マスファ・エフィライム・ソル(Masupha Ephraim Sole)は収賄の罪で18年の実刑判決を受けました。証拠として、ソル名義のスイス銀行口座にダム建設プロジェクトに関係したコンサルタント会社からの何百万ランドもの入金があったことが確認されました。レソトの例は、LHDAの職員に有罪判決を言い渡すことによって贈賄を行う国際企業に対するこの地域での対処についての重要な先例となりました。2002年の6月に出されたLHDAのCEOに対する有罪判決に続いて、イギリス、カナダ、ドイツ、イタリア、南アフリカ、スイスの会社が裁判にかけられることになりました。南アフリカのガウテング(Gauteng)郡政府は、「賄賂の疑いがある場合には」それに関係した諸企業(南アフリカにおける主要な民間エンジニアリング・グループも含む)が、計画されている首都鉄道建設契約の入札に参加する資格を剥奪されることを発表しました。

南アフリカでは、検察官、護民官、会計検査院の局長による武器調達問題に関する共同調査の結果が、2001年11月に議会に報告されました。その結果、タボ・ムベキ(Thabo Mbeki)政権閣僚たちの疑惑は晴れましたが、入札手続きに関する行政行為については深刻な疑惑が残りました。報告書では入札業者たちからの贈賄を受けた職員の実名が公表され、防衛部門の調達課長が自分の兄弟が関係しているいくつかの会社に便宜を図ったとの疑いも生じました。この報告書は野党が非難しているような「体裁の良い言いごまかし」ではありませんが、いずれにせよ政府の免責に関しては甘過ぎるのは確かです。

2002年4月に発行されたTIジンバブエ支部の報告書「アフリカの新たなスクランブル」によると、ジンバブエでは、与党ザヌ・PF党(ZANU PF)の投資を担当しているジドゥコ・ホルデイングス(Zidco Holdings)が、同党指導者の私腹を肥やすためのものだとされました。報告書の著者は、ジドゥコは一度たりとも監査報告をはじめいかなる財務報告も発表したことはなく、得た利潤を党の政治活動に使った形跡もないとしています。ジドゥコはジンバブエにおける商業利益を管理しており、その子会社は、ジンバブエの軍隊の保護と影響の下にあるコンゴ民主共和国の企業に深く関与しています。

 

 

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